まさにアクション大好き少年漫画
よくある話なのになんかハマる
魔法があって当たり前の世界・クローバー王国。代々の魔法帝と配下の魔法騎士団によって守られた国。そこを舞台に、貧しい孤児院で育ったアスタとユノが魔法帝になることを目指して奮闘するストーリーになっています。チビでガサツ・生まれつき魔力を持たないアスタと、魔法の才能に恵まれ容姿端麗なユノ。正反対の二人だけれど、お互いがお互いを信頼している関係性がすごいいいですね。孤児院に同じに日に捨てられていた二人。ずっと一緒だったのに、魔法の力にはいつしか天と地ほどの差がついてしまっている。だけど、アスタは魔法帝になることを諦めていなくて、ユノもアスタと自分のどちらかが必ず魔法帝になると信じて疑っていないのです。あー少年漫画らしい!すがすがしいです。最近凝った漫画ばかり読んでいたので、わかりやすい単純なアクション冒険ストーリーがしみるね。
主人公とそのライバル、国の設定、登場人物、物語のすすみも、狙った通りって感じで読めますね。ユノは一番魔法帝に近い男であるウィリアム・ヴァンジャンスの「金色の夜明け団」に入ることを決め、アスタは問題児ばかりが集まるヤミ・スケヒロ団長率いる「黒の暴牛」へ入ることが決まります。ユノは魔法の強さを生かして強くなり、アスタは魔法に頼らない身体能力で強くなる。これもいいですよね。主人公にとんでもない力が眠っていて魔導書がそれ相応に出てくるというよりは、魔導書のほうがご主人を選んで生まれてくるというか。しかもアスタは悪魔の力だし、これからどんどん面白くなってくると思います。果たして悪に染まるのか?的な展開で。
アスタの魅力
アスタの魅力といえば、第1話から決して曲がることがない、その意志の強さですね。どれだけ逆境に置かれようが、絶対に「諦めない」。素敵です。何に対しても、手を抜くことがなくて、一生懸命で、自分が大切にしたいと思っているものを大切にしていこうとするその気持ち。男らしいです。で、いいところといえば、ユノに対しての嫉妬があんまりないこと。そりゃー描写的にはコノヤロー!とは言っているけれど、根本ではユノががんばっているのだから、自分もライバルとしてそれに恥じないように努力をしなければならないと思うんだ、ってちゃんと思っているんですよね。ユノの成功が悔しくても、それに追いつこうとする姿勢、なんてピュアボーイ。余計なこと考えてない、馬鹿こそがアクションストーリーの主人公にふさわしい。そう思いますね。
アスタが授かった五つ葉のグリモワールですが、まだまだ謎は謎のまま…どこで明かしてくれるのか気になりますね。悪魔が宿っているんですけど、なんで出てきたとか、家系がどうとうか、早く知りたいところだけど…とりあえず任務が毎回激務なので、大変です。毎回血みどろの闘いになっているし、相手のほうの目的・親玉もまだまだ不透明。とにかく、動いているのはもともと魔法騎士団として動いていた奴らばかり。彼らと闘いながら、アスタがどう成長してくれるのか?そしておそらく良くないことが待ち受けている気がするんですが、自分の親や因縁めいたものと対峙したときに、諦めなければならないと言われるとき、アスタはどんな決断をするのか…気になって仕方ないです。あ、もちろん日常のどうでもいいギャグコントも楽しみにしています。
登場人物の多さにびっくり
とにかくですね、登場人物が多すぎるんですよ。だって魔法騎士団だけで9個もあるんですよ?それぞれにちゃんとエピソードつき、手を抜くことなく絡んでいくのでもう話が進まないったらありゃしない。しかも魔法騎士団以外の奴らもどんどん加わっていくので、彼らとのエピソードもじゃんじゃん用意してほしいし、もうどうしましょう!って感じです。団長同士で好きだとか嫌いだとかもあるし、スパイがどうだとかもあるし…さすが長編ストーリー。これからどうなっていくのやら、ですね。
それにしても、ユノの強さってあんまり際立たないんですよ。毎回、アスタのアンチ魔法の力が毎回どれだけすげーかっていうことと、それに魔法を組み合わせて戦った時にどんな化学反応を起こして敵をぎゃふんと言わせるのか、そしてアンチだった奴らとどう打ち解けていくのか…それが今ところ全面に押し出されているというか。ユノのほうが魔法だけで戦ったらすごいんだろうけど、アスタ主人公なのでね…魔法の強さじゃなく、絶対に勝つまであきらめずに何度でも立ち上がるという心の強さ・思いの強さ、磨かれた身体能力がどう魔法という力に勝っていくのかってところがポイントです。魔法って絶対リアルでは手に入らない力じゃないですか。だけどアスタの力だったら、なんかがんばったら手が届きそうな気がしてくる。自分もがんばろうかなって思えてくる。それがブラック・クローバーの魅力の1つになってくれている気がします。
一番好きなのは、ヤミ団長のこの言葉。
今ここで限界を超えろ
ですね。それにしても、ヤミさんが28歳はちょっと若すぎるよ。36歳~42歳の間くらいじゃないですか?
話の展開
序盤から試練続きです。任務のたび、新しい敵と対峙して、アンチ魔法の強さを見せつけていきます。魔法が超強い奴でも、身体能力は常人並みしかないってなんかウケます。じゃ、魔導書の恩恵なかったら超弱いよね?しかも、それ敵も同じ感じなんですよ。全部魔法頼みなところがある。だからアスタが光るんですね。アスタはその人柄で周囲の人たちをどんどん味方に巻き込み、知らない内に仲間を増やしていきます。まさに戦隊モノでいうところのレッドって感じ。才能よりも気持ちと努力。汗が似合うね。
少しずつアンチ魔法のことや、団ごとの話、黒の暴牛に所属する団員の話、そして敵として現れた謎の魔法集団のこと、明らかになっていきます。それでもまだ伏線落としていってるぐらいで、核心をついたところはまだ全然見えてきません…これで打ち切りとかになったらどうしよう。悲しくて引きこもりになりそう。どうにかいい感じでお願いしたいところです。
できれば、アスタにはそのまま変わらずにいてほしいけど、どっかで心折れるとかあるんだろうな~…でも、それを助けてくれるのはきっとユノ。それか黒の暴牛のみんなかな。アンチ魔法に頼ってるところが出てきてるから、そこを払しょくして、みんなでアスタのことを守る気がしてます。楽しみ!
任務ってことで進んでいくが、これからどうなる?
最終的には、魔法帝になるってところで終わってくれると思うんですけど、組織の闇、国の闇、人の闇、いろいろなものがこれからも描かれていく気がしています。それをアスタたちがどんな気持ちで、どのような方法でぶっ壊してくれるのか。盛大にやっちゃってくれることを期待しつつ、もっと技とか、五つ葉の魔導書との語り合いを見たいなーって思います。魔導書に認められてもっと強くなるような。今までもそうだけどさ、花がないからね、アスタには。いや、そこが魅力なんだけど、気持ちをもっと強くしてくれるような、魔法じゃなくてもなんかないかな?特別なやつ。
そして、ユノとアスタの決闘もあるかな…いや、できれば見たくない。このまま協力していってもらいたい。そう思いつつも、いつかは闘わなければならないときが来る気がします。できれば、なんかの悪の手先にユノが飲み込まれて無理矢理…とかじゃなく、お互いが楽しくできたらいいなーっては思うんですけどね。お互いがお互いを支えに今まで生きてきているから、揺らいでほしくないというのが正直なところです。これからますます楽しくなる気がしています。
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