サッカー漫画の至宝
育ったジュニアユースのメンバーたち
まず、この作品で一番の売りは、ジュニアユースで優勝したメンバーたちが、そのままオランダユースの代表に牙を向くところだと思います。
この作品中で、一番のポイントである、小学生時代から見守り続けている片桐さんが、日本のサッカー協会に駆け寄り、無理やりジュニアユースのメンバー(翼含め主要メンバー)をそのままW杯優勝まで育てるために、選手の入れ替えをせず、現Jリーガーなども一切入れず、勝負するところだと思います。
見てる側からするとジュニアユース以降沈黙があった漫画だったので、尚更そこは、重要なポイントでした。
漫画では、いろんな作品で短編で描かれてはいました。しかし、しっかりエンディングまではなかったので。(なぜ、エンディングまで作らなかったのか、この映画を見て理解しましたね。)
これは、かなり大事なポイント(オランダ戦はかなり大事)でした。(漫画でも途中までしか描かれてなかったので)そして、オランダ代表もクライファート不在(若林の手を粉砕した男)で観客席から余裕で見ていると後ろから若林が登場のシーンは最高でした。そこも、ジュニアユースの選手だった若林のプロへの成長が見れる場面でした。
翼不在での周りの焦り
この大会では、一応翼はサンパウロから日本に帰国しないと選手たちに伝えられ、
ジュニアユースの選手たちが焦り、個々の力を伸ばそうと努力する部分なんかは、往年キャプテン翼の漫画そのものだと思いました。
基本、この漫画は、人チームに二人ほどしか良い選手がいない設定。そして、尚更日本代表の場合、海外のプロに行ったのは、翼と若林のみ。(後には、岬や日向も行くがこの時はまだ日本)
そして、練習をするうちに、途中参加でイタリアの2部リーグで活躍してた無名の選手葵新伍も打ち解けて行く姿は、本当に素晴らしいと思います。
この漫画は、基本、翼など主要メンバー以外は、かなりレベルが低いのですが、そのレベルの低い選手を練習を通じて一体感をもち、チームとして試合に望んで行くのが、この漫画の一番大事な部分。
この映画は、まさにそこの部分もかなり中心に描いていて、勝てるはずもないオランダに挑んで行く姿は、素晴らしいですね。相手のオランダも、翼(サンパウロFC)の同僚など選手は、全員、南米やヨーロッパのプロばかり、そこに、プロと契約すらしてない選手が多い日本代表が翼抜きで試合に挑む。
勿論、一試合目は、ひどい大敗だったのですが、大事なのは、2試合目。目覚めた日本代表の姿は、昔のキャプテン翼を沸騰させてくれました。
しかし、残念なのが、翼以外なぜか、みんな疲れててなおかつ翼抜きだと試合にならないシーンなんかは、いつものキャプテン翼だと思いましたね。
ここら辺は、全く石崎含めスキルが上がっていない点も見てる側からすると少々安心感さえありました。昔の顔面ブロックや、立花兄弟のスカイラブハリケーンはどうした?とは思いました。
ただ、そこら辺のジュニアユースで通じた技も、ユースでは一切通用しない点も、翼不在で、この漫画の成長点なのかもしれませんね。個人的には、通用して欲しかったですけどね。
オランダ代表に爪痕残す日本代表ユース
オランダは、最初かなりなめてました。
「えっ?日本代表?強いの?」そんなレベルです。
ジュニアユースにオランダはアニメの設定では出場してませんでした。
なので、その日本代表の強さを全くと行って良いほど知らないわけです。尚更、海外でも有名なのは翼と若林のみ。
そして、試合が始まると、一試合目は大敗でありえない負け方。
そして、選手よりも見に来ていた観客とサッカー協会の落胆の声。
しかし、実は、片桐さんは既に手を打っていて、わざと翼が試合に出ないと嘘をついてたいのが後半わかり、後半から翼が登場。
それも、二試合目の後半からです。この時の見てる我々含め、アニメ中の観客の湧き方は以上でした。
「翼来た〜〜」こんな感じでしたね。
そして、若林も客席から登場。若林は試合には出ませんが、代理の若島津の応援や、オランダユースのキャプテンクライファートをいじるシーンなんかは、最高でした。
「これから、あの翼が入ると日本代表が目覚める。オランダ負けるぞ?」というシーンなんて最高でしたね。
そして、翼が、投入してすぐに得点。オランダサッカーが翼の投入により通用しなくなり、
日本が息を吹き返す。観客の応援も息を吹き返しスカスカだったスタジアムが翼投入の満員。
この瞬間見てる僕らもかなりテンション上がります。
そして、試合は、大差でオランダに勝利。結果、二試合通じて引き分け。この時のオランダに対しての爪痕の残し方は、素晴らしかったと思いますね。
これぞ、キャプテン翼と僕は思いましたね。この、短編で映画をやったこの作品。
相当意義があったと思います。おかげで、この作品の後に、未だにキャプテン翼の代表選が続いてるのもその作品が映画で蘇ったからだと思います。
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