背筋を伸ばしてがんばろうと思える - おこう紅絵暦の感想

理解が深まる小説レビューサイト

小説レビュー数 3,368件

おこう紅絵暦

4.504.50
文章力
0.00
ストーリー
0.00
キャラクター
0.00
設定
0.00
演出
0.00
感想数
1
読んだ人
0

背筋を伸ばしてがんばろうと思える

4.54.5
文章力
-
ストーリー
-
キャラクター
-
設定
-
演出
-

主人公おこうは元柳橋の芸者で夫は北町奉行所筆頭与力。そして隠居している義父と共に、厄介な事件を解決していく時代小説です。 短編がいくつも詰まっていて、些細な勘ちがいから厄介な事件が起こったり、人情味溢れるやり とりがあったりと、様々な視点からみた非常に贅沢とも言える内容だと思います。 この作品は前作に「だましゑ歌麿」という作品があり、こちらは、夫の仙波が主人公となってい ます。 つまり、シリーズとは言っても、主人公は違います。シリーズを通して読むと、登場人物たちの 移り変わりがよく分かり、より楽しめると思います。 もちろん、単独でも十分楽しめると思います。事件を解決する動機が、この作品の場合、主人公お こうの優しさにあるからだと思います。それゆえに、朋輩だった芸者から持ち込まれた事件に出て くる幼い女の子の気持ちを察することができます。猫にまつわる話にしても、細やかな観察が解決 の糸口へとつながります。苦労を苦労とも思わない気持ちの良さが物語の底をしっかりと支えてい るように感じられます。 そしてそこに嫁がかわいい義父が加わって事件を解決して行く姿には、人に寄り添おうとする姿勢 が常にあるように見えます。彼らの屋敷に出入りする絵師なども登場して、バラエティに富んでい ます。「迷い道」という作品のように一見重いテーマもありますが、それもまた含めて全編通して 気持ちよく読めます。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

関連するタグ

おこう紅絵暦が好きな人におすすめの小説

ページの先頭へ