火怨 上 北の燿星アテルイの評価
火怨 上 北の燿星アテルイの感想
読み応え十分!珍しい平安時代初期が舞台の作品
「奥州5部作」の2作目岩手県出身の高橋克彦によって著され、2002年に講談社より出版されています。全部で、上巻・下巻発行。現在は、文庫版や電子書籍版も出ています。高橋氏の前の著作「風の陣」の続編にあたる作品で、2016年には、直接の続編にあたる「水壁」がハードカバー版で出版されています。ただし、「風の陣」を読んでいなければ、全く話が繋がらない、というわけではなく、単独の作品として読んでも、支障は全くありません。「蝦夷 対 朝廷」に至った背景が、入念に描かれる物語の背景は、平安京に遷都したての平安時代初期にあたり、当時、東北全域にいた「蝦夷」のリーダー「阿弖流為(アテルイ)」と、彼を補佐した「母礼(モレ)」、朝廷の人間として彼らを制圧しに来た、征夷大将軍の「坂上田村麻呂」の3人を中心に話は進みます。蝦夷は文字を持たず(使わず)、彼ら自身が記録を残していないため、現在でも朝廷側の資料しか残されていないた...この感想を読む