連載終了しているのに高い人気を誇る萌アニメの傑作
とにかく読者の心をつかむ要素が満載である
基本は小学生の女の子へ向けた作品なんですか、なんでこんなに大人の心もつかんでしまっているのか。それはやはりマンガの中にあらゆる要素が詰め込まれているからでしょう。まずはさくらと小狼の恋路ですね。これはもう完全にほほえましく、心が温まる内容です。さくらが雪兔に憧れているというのもリアル。なのにクロウカード編の終盤では雪兔がユエとしてさくらと戦いを繰り広げることになる…何だこの展開。おもしろすぎる。そしてまさかのボーイズラブ要素。雪兔と桃矢の…美しすぎる設定。おもしろすぎる。完全に腐女子の心をわしづかみしてますよね。さらに、腐女子だけでなくおじ様方の心もつかんでいるのがカードキャプターさくらのすごさです。とにかく…さくらがかわいいキャラで、ロリコンにはたまらないと思います。もう、ひたむきな感じと天然キャラが…時代を先取りしていたんじゃないでしょうか。さらにさらに!知世と先生の恋まで…小学生だけどね…禁断の部分をふんだんに使ってるから、大人もドキドキしちゃうんだよなー…知世ちゃんが天然鈍感で正直者のさくらの影の立役者だと思うんですが、それはたぶん大人の男の人を相手にしているから、いろんなことが考えられるんだと思います。さくらが不安にならないように先回りしてわざと明るくしてあげたりとか…こんな最高の親友がほしいです。
もちろん、魔法を使ってアクシデントを解決していくという基本要素からはぶれずに、しかも町で起こる異変は迷惑なものばっかりだけど、どこかかわいらしいというか…そこは小学生でも安心して楽しめる感じでしたね。戦うのは基本的にさくら一人で、そこも戦隊ものと違って応援しやすいと思います。
個人的には、さくらの家族構成にドキドキとしていました。だって母親がいなくてすごくかっこいいお兄ちゃんとお父さんと3人暮らしで…なんだか溺愛具合が伝わってきてですね。男二人のほほえみがたまらなくイケメンでした。おいしすぎると思います。大事に大事に育てられてきたんだろうなって思いますよ。
魔法少女ってだけじゃないおもしろさがある
魔法との出会いがなんかよかった。家にあったお父さんの書斎からたまたま見つけたクロウカード。そこから始まるケルベロスとの契約。使っているのがタロットカード。タロットカードですよ?そこからしてなんか魔法が出てもおかしくないかもって思える気がします。というか出てほしいという期待がある。(笑)
そして、戦うたびに衣装を変えるって…そんな発想ないですよね?普通。ただそこがいいというか、これも完全にコスプレイヤーの方々の心をくすぐりまくってます。知世ちゃんが毎回いつ用意したの?っていう衣装を用意しているんですが、そこはまあファンタジーだとして、毎回戦闘服が同じよりも絶対楽しいと思います。さくら本人も毎回違った気分で楽しめますし、見てるこっちも毎回どんな感じになるかとわくわくするというか。デザインが女の子の憧れ!って感じに仕上がってるので、着てみたいなーと憧れた人は多いのではないでしょうか。
個人的には、学校へローラーブレードで通うっていうのが…なんか新しいというかおもしろいというか。絶対危ないからやらないほうがいいと思うけど、これだけ天然さんのさくらがいかに運動神経がいいかとかも伝わってきて、ギャップ萌がしました。
小狼の一喜一憂が最高
この作品のヒーローである小狼は、とにかくかわいいので萌えます。恥ずかしがる姿やかっこよく決めようとがんばる姿にこちらまでドキドキしてしまいますね。天然鈍感のさくらが雪兔に憧れているのに露骨に嫉妬したりするのが小学生ですけど、大人ぶってるのがまたかわいいんだよなー…淡い恋の代表みたいな設定です。ツンデレ男子は最高ですよね。小狼の気持ちは知世ちゃんにはバレバレなんですが、それもまた…知世ちゃんの偉大さがわかります。上手に駆け引きさせてあげているというか。こんな小学生いるんだろうか…上手にお互いの背中を押しているのが、さすが経験豊富!と思わせてくれます。
今までにない要素だと思うのは、小狼が香港の人であるということじゃないでしょうか。まさかの日本の枠を飛び出てるやつをヒーローにってなかなかないと思います。小狼の登場で、町で起こるほほえましいアクシデントたちが世界規模の話にぐっと広がったなーと思います。香港からきたというだけで、何かしらの呪術が使えそうだなと思わせてくれるしね(実際そうだった)。
どこかミステリアスで素敵
クロウカード、クロウ・リードの描写がすごい知的に描かれていて、最後のほうまで謎が謎のままにあるっていうのがおもしろいところだと思います。単純には解決されないところも、広い年代の方から愛されてる理由かなと思いますね。しかも、雪兔と桃矢、知世と先生の…背徳感を感じずにはいられないしね。小学生にはこのすごさがわからないかもしれないですが、大人になるほどそういうのがリアルに感じられてしまってハラハラしてしまうんですよ!
さくらカード編になってからはより謎めいた雰囲気がすごいじゃないですか。エリオルがまず怪しすぎる。生まれ変わりだっていうのは何となく腹落ちしますが、序盤では完全悪役の雰囲気です。そこからなるほどカードをさくらカードにするためにね…クロウカードをただのカードにさせないためにという流れでしたが、さくらを成長させるための試練だったんですよね。成長するためには必ず困難が待ち受けているもんです。それをどう突破していくかっというのは、前向きに逃げずに考えたかどうかでだいたい決まるんですよね。壁があると自分に妥協してやめたくなるけど、そこを打ち破ると大人になりたいなと思いますね。うん。
魔法の出方もかっこいいと思う
タロットカードをモチーフにしているのがいい!そこから魔法の出てくる描写がとにかくかっこいいです。小学生のころはこれを真似したくてタロットカードを買ってもらったことがありました。今でもタロットカードを見ると魔法が使えそうな気分になります(笑)。かっこいいっていうのはもちろんそうなんですが、カードが意思を持っているのがいいところです。ただの魔法として使うのではなくて、協力してもらうようにするのが子どもの目には優しい描写だと思います。世界にすごい悪いものがいるというよりも、心の行き違いで迷ったり悲しんだりする、その気持ちが災いをもたらすんだなって暗に伝わってきて、それを解消するためには1人1人、カード1つ1つとのつながりを修復していく必要がある…絆について考えさせられると思います。親友同士の言葉がなくても支えあう関係、小学生の恋、ボーイズラブ、先生と生徒の禁断ラブ、亡くなってしまった妻を思いながら子どもたちを支えていく父親…など、あらゆる関係性が描かれているけど、そのどれもが大切な絆だよなーって考えさせられます。大人でもそういうことを考えながら見るとかなり楽しい作品です。
長く愛され続けているカードキャプターさくらは、大人が買うにはちょっとはばかられるぱっと見ですが、読んだら普通におもしろさが満載でしたね。童心にかえるだけじゃなくて、友達とか家族とか恋人とか、いろんなものを大事にしようって思えるようになるんじゃないでしょうか。かわいらしいイラストなので、読んでると思わずにやーっとしちゃいますね。
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