「命」を得たアンドロイドの一生 - アンドリューNDR114の感想

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「命」を得たアンドロイドの一生

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

わたし史上、最高の感動作

ロボットよりも人間に近い存在・アンドロイド。

あくまで機械であるアンドロイドに、もしも知恵や愛情が芽生えたら…?

この映画は、主人公であるアンドロイド・アンドリューを中心に、彼を取り巻く者たちとの「家族愛」「友情」「恋愛」そして「命のあり方」が描かれています。

父親の計らいでマーティン家の元に届けられたアンドリュー。

機械だけどどこか人間のようなアンドリューを、初めは厄介者扱いする家族達。

しかし次第に、末娘の”リトルミス”がアンドリューに心を開き、二人は深い絆で結ばれていきます。

そしてある時から、マーティンはアンドリューの「特殊な能力」を見出だして…

家族との別れ、大事な人達の死、仲間との出会い、恋愛

アンドリューは、マーティンから様々な知識を得ました。

その過程で「自由」を知った彼は、マーティン家から出て、海辺に一人の家を建てます。

迷いこんだ「トモダチ」(犬)との共同生活。

いつも一家と共にあったアンドリューから「自由がほしい」と打ち明けられたマーティンは、苛立ちを隠さず「出ていけ」と命じますが…恐らくこの時、マーティンは悲しみ、寂しさを感じ、自分が知識を与えたことを後悔してしまっていたように思います。

大切な息子のような彼から、裏切られたとすら感じたかもしれません。

しかしそのわだかまりも、マーティンの死に際して確かに溶けています。

アンドリューや家族達に見守られながら、マーティンは天に召されました。

その後、リトルミスによく似た女性・ポーシャとの出会いを経て、更なる大切な人の死に立ち会うことになります…マーティン家に来たときからずっと深い愛情を注いでいたリトルミスが亡くなります。

昔アンドリューからもらった、ミニチュアの木馬を大切そうに握り締めながら。

リトルミスは、結婚しても、子供が生まれても、

最期までアンドリューを愛していたと思います。

一生、恋をしていたのかもしれない。

きっとアンドリューも。

だからこそ、アンドリューは彼女の死後、人間のように寿命を得ることを選んだのではないでしょうか。

勿論、マーティンが亡くなったことも関係するでしょうが…

そして同士と技術者を見つけ、どんどん人間のようになっていき、ポーシャと結ばれます。

ポーシャは、きっとリトルミスの気持ちを受け継いでいたんだと思います。遺伝子のように。

母の叶えられなかった想いを、無意識でも叶えました。

このまま、ただひたすらに穏やかで幸せな日々を過ごしてほしい。

観ていて本当にそう思いました。

そんなに簡単にはいかないのはわかってても…

アンドリューとポーシャの決断、ガラテアの最後の言葉

外見も、体内の作りも、そして老いることも得て、ほとんど人間になったアンドリューは 裁判所にて「本当の人間」として認定してもらうために審議を受けます。

なかなか認めてもらえないアンドリュ―。

それでも根気づよく願い続ける彼と、彼を見守り続けるポーシャ。

映画の中では、淡々と時が流れていきますが、

実際に経過した年月を考えると、本当に彼らの想いの強さには鳥肌が立ちました。

アンドリューの根気強さもさることながら、ポーシャの彼への静かな愛情には頭が下がります。

果たして自分なら、彼のことや彼の信念を受け止められるだろうか…そんなことを考えさせられます。

きっとアンドリューは、マーティンから知識を得たときからどこかで憧れ続けていたのではないでしょうか。

「大切な人達と同じ人間になりたい」と。

触れ合うことの温かさ、心が通うあの気持ち、セックスの素晴らしさ…

機械では感じることのできない「感覚」への、そして自らが知り得ない未知への憧れ。

からかわれて二階から落ちる痛みも、リトルミスを愛おしく思ったその感情も、「人間」になる前の彼に

感じてほしかった…

最後の場面、病室には互いに老いたアンドリューとポーシャ、そして看護師として寄り添うガラテア。

ガラテアもまた、人間に近付いています。

彼女もアンドリューに触発された一人かもしれないですね。

登場時はただたた破天荒なキャラクターでしたが、

この時は落ち着いた、理知的な女性になっています。

もしかしたら、彼女はポーシャを見ていて変わったかもしれません。

憶測ですが、ガラテアはアンドリューを尊敬するとともに、恋に近い感情を抱いていたように見えます。

テレビには、裁判の判決が流れる。

長い月日を経て、アンドリューは「人間」して認定されますね。

しかし、その答えを聞くことなくアンドリューは息を引き取る…

アンドリューが息を引き取った後、自分の生命維持装置も切ってくれ、と頼むポーシャへの最後の台詞、「偉大なアンドリューの言葉」として

「お役に立てれば幸いです」

この一言に、アンドリューの人生の全てが集約されていると思いました。

アンドリューは死後も、自分と同じような境遇の者達に希望をもたらしたのですから。

「聞かせてあげたかった」とガラテアは呟きますが、

きっとアンドリューは聞かなくても満足していたと思います。

後世のお役に立てて、きっと幸いですから。

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