なぜキノコ?その疑問を追求してみました。
確かな画力のダークファンタジー
私がこの漫画を読んだ時の第一印象はとにかく「書き込み」の量が凄いということ。
主人公の「カイマン」は爬虫類の見た目ですが、肌の質感まできっちり書き込まれています。独特な世界観で見る人を引き込む作品で、背景の同様にしっかり書き込まれています。そこから察するに細かいところまで拘る作者の意気込みのようなものを感じます。
例えば作中で登場するキャラクターは基本的に「人間の姿」をしていますが、それぞれ独特なコスチュームとマスクを着用しています。それぞれにどういった意味があるのか、能力との関係は?などと考え始めるとストーリよりのそっちの方が気になってしまいます。
なぜキノコなのか?
この作品を読んだことのある人なら誰しもが一度は考える疑問。作中最強クラスに描かれている煙ファミリーのボス「煙(えん)」の能力がなぜキノコなのか。
たしかに一撃必殺の威力もありますし、自身の足や手がキノコに変えられたら戦意喪失どころかまともに逃げることもできないでしょう。ただ、他のものでもよかったのでは?の疑問が頭から離れない方は多い筈。
それに魔法の威力だけで言えば「心(しん)」の魔法の方がよっぽど凶悪です。触れたものをバラバラにするなんて反則級の魔法です。
いくら「煙(えん)」が強くても後ろから不意打ちを食らえば一発で決着がつきます。そんなインフラ要素満点の設定でも、しっかり負けるときは負けさせるのがこの作者の魅力のひとつかなと思います。
他にも疑問はたくさんあるのですが・・・
上記のほかにも疑問はたくさんあります。特に物語の軸を担う「カイマン」については少しずつ明らかにされてきました。そして「煙(えん)」のキノコに関しては特に進展なく瞬殺されるという・・・。
壊(かい)が能力を受け継いでいますが、瞬殺できる程度の相手の能力をわざわざ自分のものにする必要があるのか?と疑問に思います。それは「煙(えん)」が使いこなせていなかっただけで隠れた能力があるのではないかと推測します。
先にも魔法については少し触れていますが、この作品の上位の戦闘要員の場合、ほぼ先に魔法を当てた方の勝ちです。(キノコになったり、バラバラになったり・・・。)
つまりその法則から抜け出すことができれば、他の魔法使い達とは一歩別のステージに上がれます。これは完全な推測にすぎませんが、やはり「壊(かい)」が能力を手にいれるのには理由があり今後の展開につながっていくと思います。例えば、キノコの胞子で自分の分身をたくさん培養できるとか・・・。
キノコは基本的に「菌類」に俗す「生物」です。一般にキノコと呼ばれる物体は実は、本体ではなく小実態認識といい体の一部なのです。例えばしめじなどは集合体で見られることが多いですが、あれはひとつひとつがしめじなのではなく、あれ全体を指して一つのしめじなのです。
つまり、その能力が「煙(えん)」の能力に秘められているとしたら。
「壊(かい)」という本体がいることによって、多数の小実態を作り出すことも可能ではないかと思います。小実態は基本的に本体とおなじDNAを持つため、能力や容姿も同じく受け継がれる筈です。
これによって能力バトルにおけるインフレから一つ上のステージへ上がることができるのではないでしょうか。
また、すでに「煙(えん)」がこの能力を使用してい場合、再登場の可能性もあります。なぜ、キノコなのか?この疑問がこの作品に深く関わっていると推測しながら読み返すとまた新しい発見が生まれるかもしれません。
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