スゴイ作品 - 輝夜姫の感想

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漫画レビュー数 3,136件

輝夜姫

4.134.13
画力
4.13
ストーリー
3.75
キャラクター
3.88
設定
3.75
演出
3.50
感想数
4
読んだ人
9

スゴイ作品

4.54.5
画力
4.0
ストーリー
4.5
キャラクター
4.5
設定
4.0
演出
3.5

目次

汚れか穢れか

真っ向から衝撃を受けた作品でした。同性愛がまだ今日まで支持されていないときに売られていたと思うと。このような絵柄はあまり読まないことも多いのですが、思ったよりこの作者さんは絵が綺麗、というか美麗だったため、惹かれてしまいました。別作品も早く読みたいです。クローンというものにもスポットがあてられ、というかポイントの一つですね。このネタはよく見かけないこともないのですが、こちらでは使われ方が基調、作品の土台となっていますので、クローンネタが好きな人は純粋に面白く読めると思います。話が変わって、汚れを知らないというイメージを美しい人には抱くことが多いわけですが、そこまで汚れを知らないわけでもないんですよね、穢れとも言えるようなものに触れている面もあります(例えば主人公と育てのおばさんとか)。むしろ可愛かったり、美しいと、人の好奇を直に受けますから、間接的に色々な人の心に触れさせられて、腹黒くなってしまうことも少なくないでしょう。それがクローンであるならなおさらのこと、自分は自分のために生きているのではない、そんな嫌な事が分かれば荒んでもおかしくない。他人に優しい人は自分にも優しいと言うでしょう?自分に優しく生きれないのに、どうして他人に優しくできましょう。

キャラ

私が好きな、二人のキャラについて少しだけ話したいと思います。まず信夫、拷問で顔がもっと不細工になりました。いいキャラしてますよね、彼。なんだか結婚してもいいんじゃないかってくらいですが、漫画の人だからこんなこと言えるんです。そして碧、碧の「ちゃんと愛されて許されて信じられて、『鬼』が『人間』に戻れたら、少しずつ少しずつもどれたら…」(輝夜姫14巻より)という言葉に涙しました。それしか方法がないのだということに、絶望のようなものも同時に覚え、胸が苦しくなったものでした。嫌な人に会ったときなど、この言葉が思い出され、自分の心の素直さが足りないことに嫌悪することも。それでも、碧というキャラには感服しております。尊敬に値するでしょう。

腐向けと言わないで

今から伸びるのではないでしょうか。いえ伸びると信じて、今ならBLが盛り上がっておりますから。しかし昨今の腐女子たちは、少々同性愛に対する愛着がズレているように思います。あれはただ流行りに流されている、好みも偏っているのに、皆して同じ作品のものばかり支持している。そういう意味では、あの方たちは輝夜姫には目もくれないでしょうね、とたびたびひねくれている次第でありまして。あのような方たち、BLに興味を持っていますのは、大変嬉しいことなのですが、もう少し慎重にというか、丁寧にというか、流行りに流されるままはしゃいでいるのは、私正直見苦しいものがあります。作品が売れることは素直に喜ぶことなのですが、腐向けだ腐向けだと軽々しく騒がれても、素直にはなれないところです。輝夜姫という作品は、作品です。確かに腐要素があります。しかし、それがメインではありません。クローン、社会問題、自らの出生、そして何よりもジャンルはSFです。BLではありません。私が主張するならば、そこを強く言います。

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他のレビュアーの感想・評価

何とも言えないラストだが世界観は抜群

怪しき始まりなぜか5歳より前の記憶がない。いや、覚えていなくても当たり前な気がするが。そんなことを考えた私が読み始めたこの物語。ワケありな子どもたちの殺戮が起きるダークファンタジーの様相を呈した初めのころ、かなりおもしろかったです。10年前まで、孤島に孤児たちが集まって仲良く暮らしていた。16歳になると、きまって新しい親に引き取られるからといって施設を出ていく子どもたち。幸せそうに施設を旅立っていくので、残された幼い子どもたちは自分たちもいつかは…と思っていた。しかし、偶然にも目撃してしまった現場。実際には16歳になるとかぐや姫の生贄として捧げられ、殺されてしまうのだということがわかった…彼らが何とかかぐや姫や取り巻きの人たちを殺し、脱出することができたというあたりがなんか軽く流されていたことがちょっと気に食わなかったけど、そこからバラバラになったみんながもう一度あの忌まわしき孤島へ終結し、何...この感想を読む

4.04.0
  • betrayerbetrayer
  • 11687view
  • 3105文字
PICKUP

超大作のラストが全然納得できなくて悲しすぎた

ダークファンタジーのつかみはがっしり最初が一番おもしろい。10年前まで、孤島で暮らしていた孤児たち。仲良く、楽しく暮らしていた彼らは、16歳になると引き取られていく。みな幸せそうであり、これからに期待を膨らませて旅立つ。なのに、その日はみんな見てしまったんだ。実は16歳になると殺されていたという事実を…怖い。ホラーが待ってるんだって思ったらワクワクのドキドキだった。ここからサバイバルや!と思ったしね。でも案外と早く彼らはかぐや姫やそれに関わる人を殺して逃げることに成功する。大事なのはここからで、それぞれがそれぞれの10年間を過ごして、また集結しなければならなくなるというもの。10年越しのサバイバル…!なんて楽しそうなんだ。いや、実際にはそんな現場には居合わせたくはないが、物語の構成がとてもいい。絵が昭和であまり好みじゃないのについつい読んでしまったよ。子どもたちはみんな成長して、主人公の晶も16歳...この感想を読む

4.54.5
  • kiokutokiokuto
  • 2468view
  • 3006文字

いろいろともう少し…

美しい静止画の数々文庫版の表紙折り返し作者紹介欄に「秀麗な絵」と書いてあるが、まさにその通りで、美しい絵に何度もページをめくる手が止まってしまう。人物も美しいが、背景がまたディテールまで美しく描かれている。登場する背景もイギリスの寺院だったり中国の宮殿だったりと、目をたのしませてくれる。美しさの一方でただ、人物は確かに美しいのだが、それはボディラインや姿勢の点で、顔は…似たような顔の人物が多い。特に物語の中で「イケメン」と称される人々は。サットンや楓と桂、ドナー時代の守や、それにもちろんマギー(そんな趣味はないのだがマギーのハイレグには見とれてしまう。そもそもあんな格好をしているのはおかしいのだが、絵が美しいので許してしまう)は個性的で、他の人物と間違えることはなく、サットンなどにいたっては体つきも他の人物と違って、巨体のアメリカ人らしいのだが、ミラーと由と昂は髪型を変えたら同じような...この感想を読む

3.53.5
  • revolurevolu
  • 712view
  • 2028文字

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