二回は見返してほしい
見どころその1・美しく優しい世界
他の人の感想やあらすじで見た方ならもう腐るほど見たフレーズでしょう。
美しく、優しい世界。それは大きなポイントであることは確かです。ですがそれ以上に私が重要視しているのは、美しいが、美しすぎない世界だということ。そうすることで美しいことが際立ちます。ただし、主人公ラッカの声は慌てるシーンではアラがでたり、ヒカリの声なども高過ぎるのではと個人的には思います。
最近のアニメではよく見かけるようになったカラフルすぎる世界というのは、確かに美しかったり、印象に残りやすかったりするのですが、見飽きることが多いです。一周目は他に気を取られず、ストーリーに集中し、二回目は美しさなどを堪能してもらえたらと思います。(1週目はラッカ目線、2週目はレキ目線でも大いに楽しめるでしょう。)
そして、この優しい世界というのも同じです。優しいのですが、優し過ぎはしないのです。物騒であったり、見た目の特徴だけだと天使の格好をした彼女たちですが、内面はとても人間味があふれていて、自分自身を攻め続けていたりします。そんな葛藤や成長も見どころの一つであると言えるでしょう。
見どころその2・含まれる多くの謎
見出しの通りで申し訳ないのですが、灰羽連盟にはたくさんの謎が含まれたまま物語が終焉へと向かいます。
例えば、何故灰羽達は皆若い(幼い?)姿であるのか(クウの話で成長しないまま数年過ごすのかと思えば、しっかりレキやネムは7年間で成長を遂げていたり等)や、クーガ、話師、壁に囲まれた街などです。見た人にはお分かりいただけると思いますが、何故レキのペイントが具現化したのかも謎であはあります。
そこをあーでもない、こーでもないと考えるのは楽しみの一つでしょう。そのため、何度でも見返すことができ、なおかつ、一話たりとも飽きて飛ばす、などという現象が起きないのです。内容をほとんど忘れたころにもう一度見返すと新しい発見が有りますよ。
見どころその3・クーガ
見どころその2でも触れたクーガですが、とっても謎が多い登場人物です。ここからはネタバレと自己解釈(妄想)が大いに絡まりますのでそれらが苦手な人は読まないことをおすすめします。
まず、クーガですが、手話を使って会話をします。村人と接することもなく、灰羽が近づくことも基本的には許されていない。おまけに、男か女かすらもわからない。わかっているのは、手話を使うのだから目は見えているし、井戸に落ちた回では耳も聞こえています。灰羽達がいる世界の言葉も理解していることになります。口は覆われているだけで、ないわけでもないのに、何故言葉を発しないのか……?
12話あたりを見ていて思ったのですが、ラッカは「とどまることなんでできるんですか?」と話師に問います。それに対して話師は「まれにそうなる者もある。だが、その者はもう灰羽とは呼ばれない~」と返します。
もしかしてクーガって元罪憑きの灰羽たちだったのでは?と思うわけです。皆背丈は大きく、成人しているように見えます(実際はわかりませんが)。そして、話師もそうだったとするのなら……今度はクーガや話師の目線で見ると楽しめるのではないでしょうか。(例えば、灰羽を守るために築きあげられている壁から守られることもなくなり、灰羽でも人でもないとされ、しゃべることも許されず、自分が使っていた名前も名乗れず、守られていない壁の外の世界へとただその町の人々や灰羽が無事に巣立つことだけを目的として旅する、とか。)どの視点から見ても一度は切なくなるし、見るたびにいろんな思いが自然と出てくると思います。
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