娘のヒーロー - ホワイトハウス・ダウンの感想

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映画レビュー数 5,784件

娘のヒーロー

4.04.0
映像
4.0
脚本
3.5
キャスト
4.0
音楽
3.5
演出
4.0

目次

最強の親子

まずはなんといっても主人公親子のキャラクターや関係性が好き!妻と離婚して(家庭を顧みず仕事に没頭してたんでしょうねぇ)、娘とも離ればなれに暮らしている主人公は、定期的に娘に会えることを楽しみにしてるが、学校の発表会をブッチしてしまったことで娘を怒らせてしまう。なんとか信頼を取り戻そうと政治や官邸マニアである娘のためにホワイトハウスへ一緒に行くことを提案する。そこで思わぬハチャメチャ事件へ巻き込まれるのだが、困難を乗り越えていく中で二人の関係が今までよりさらに深まっていく。

そんな主人公である父親ジョンを演じるのはムキムキ俳優チャニング・テイタム。決して細かい演技が上手くはないと思うが、大統領警護官の面接時に副面接官を笑わせちゃうところなど、味のある演技も見せてくれた。アクションではキレッキレの動きを見せる。息を潜め敵の後ろに回りこみ、一瞬の動きで敵を仕留めたり、銃弾の嵐の中、高速ほふく前進で逃げ回ったりと運動能力の高さがよくわかる。

娘役エミリーを演じるのは、子供ながら着々とキャリアを重ねているジョーイ・キング。演技力も高く、なんとも可愛らしい!好きなシーンは、父親に対して強がって不機嫌な態度を取っていたが、ホワイトハウスに入った瞬間子供の笑顔に戻るところ。入り口の検問で犬が車の下の爆発物を確認していることを知り、思わず「This is awful(マジヤバイ)」と漏らすとこなんか最高に純粋で可愛らしい。

ホワイトハウス見学ツアー中に、思いがけず大統領が姿を見せた時の興奮した様子もすごく上手。慌てながらも大統領に対して子供とは思えない専門的な政治的質問をしちゃうもんだから、つい大統領も「タフなクエッションだ」と漏らしちゃうよそりゃ。

こんな大統領素敵すぎる

まず大統領役がジェイミー・フォックスという時点でコメディっぽく感じちゃうんですが、これがまたハマってて良い!オバマさんのさらに上をいくスピーチの巧さ、そして大統領としての威厳もありながらユーモラスな部分も見せてくれる。子供からの「動画撮らせて」にもノリノリでユーモアたっぷりに応えて、「チェケラゥ」とか言っちゃうとこもカッコよくて素敵な大統領だ。

劇中は主役のジョンと一緒にいる時間が長いが、この関係も面白い。アクションシーンでのお茶目な大統領も良いが、自分が気に入っているのは、大統領のキズの手当てをしながらジョンが、娘にとってのヒーローは自分ではなく、あなただと打ち明け、だからそんなあなたを護る仕事がしたかったんだと打ち明けるシーン。そしてそのお返しか、物語の最後には娘のそばでジョンに対して「君の警護が必要だスペシャルエージェント!」と言ってくれる。娘のヒーローがまた父親に戻った瞬間である。

完成度高い作品

この類いのハチャメチャアクション映画はストーリーは正直二の次だが、この作品は伏線を含めて割としっかり作り込まれており、2時間以上の長さでも全く飽きない!大事なシーンはしっかりスローモーションで見せてくれるし、何度も観てると随所にこだわりのカメラワークが発見できる。特に撮り方が好きなシーンは、エミリーが初めてホワイトハウスを目にした瞬間の表情を収めたところ。普通に正面から撮るのではなく、車の窓に反射したホワイトハウスを映しながらエミリーの表情も撮り、ワンカットでしっかり状況が分かるように上手く捉えている。

その他の役柄のキャラもしっかりしており、犯人グループの中でも主犯であるステンツは、めちゃくちゃ仲間思いで、悪役ながら好感が持てる。ツアー案内の人も銃を持ったら急に強気になっちゃうなど、それぞれ個性があって面白い。

とにかくいろんな視点で見るとより深く楽しめる映画。一回しか観てない人はあと5回くらい観ても損はしないはず!

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