少し斜めの角度から。 - 人狼ゲーム ビーストサイドの感想

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人狼ゲーム ビーストサイド

2.252.25
映像
2.25
脚本
2.25
キャスト
2.25
音楽
2.50
演出
2.25
感想数
2
観た人
3

少し斜めの角度から。

3.53.5
映像
3.5
脚本
3.5
キャスト
1.5
音楽
3.5
演出
3.5

目次

高校生の人狼ゲーム

この映画は、高校生の人狼ゲームをリアルに描いた作品となっています。

人狼ゲームは、人と人の騙し合いでもありますが、この映画は人狼ゲームというゲームを通して、人間の誰しもが持っている「汚い部分」を如実に表現しています。

高校生という、人生の中での青春時代を過ごしている人物にスポットをあてることで、生々しい人間らしさを体感しました。

映画の舞台は、高校生の夏休み。

10人の生徒のうち、2人は人狼である。生き延びた人間には賞金として1億円の支払いがあるという設定です。

高校生相手に、1億円の賞金とは、いささか現実味のない設定だなと感じましたが、

この映画の注目点は賞金というより、人間に対する不信感・疑念のような感情的な部分だなと思います。

過半数以上の人は、親から、「優しい人になりなさい。」だとか、「人には親切にしなさい。」と育てられます。

もちろん、「人に優しくする。」ということは、とても人間的で、道徳的で、当たり前だけど当たり前になかなかできない、

人間にしかできない素晴らしいことだと思います。

では、成人し、親元から離れ、自立した所謂「大人」になった自分は、はたしてその通りに生きていけているのだろうか?

仕事で忙しい時、恋人と別れた時、さまざまな現実に直面し、自分自身に余裕がない時、

人に対して、どれだけ優しくできるだろうか?

ひねくれだと言われればそこで終わりですが、誰しもがこんなことを考えながら生きているように思います。

「きれいごとだけでは生きていけない」。

この映画は、そんな人間の汚い部分(むしろ私は汚いとも思わないが)を肯定してくれるように思いました。

だって、誰しもが汚い部分を持って生れているのだから。

逆にそれが「人間らしい」んですよね。

人間の本音と建前

では、映画の内容に触れつつ、自分の考察をお話していきたいと思います。

この映画の人狼ゲームは、「騙し合い」というよりは、「疑い」に焦点をしぼっています。

そこで私が1番感じたもの、「本音と建前」です。

ネタバレにもなりますが、登場人物の中に、1組のカップルが出てきます。

このカップル、彼女が実は妊娠しており、彼氏は妊娠している彼女のことを良く思っていません。

彼氏は彼女が人狼だと他の生徒に話します。もちろん真っ赤なウソ。

彼氏からしてみれば、彼女のことなんて、「めんどくさい」くらいにしか思っていませんからね。

そして夜、人狼はだれかを討論している時に、この妊娠の話が公になります。

この時、その場にいた他の生徒の前で彼女・彼氏は口論となり、彼氏は彼女を激しく罵ります。

高校生ですから、「妊娠した」と言われても、実感もなければ、責任感もないのです。

しかし、生徒からすれば、あくまで「他人の話」であって、客観的に現状を判断できます。

妊娠している彼女を罵る彼氏に対して、生徒全員の疑心が生まれていきました。

そうしてその夜、投票でその彼氏が選ばれます。

仮に私がその場にいたとしても、その彼氏に投票するだろうなと思います。

とまぁここまでは、映画のストーリーを「良い人」という視点で考察しました。

ではここでの「本音と建前」とは?

たとえばこの話を、世間からしてみれば「ひねくれ者」、として考察してみます。

自分が彼の立場だったら?

そもそも10人の生徒がいて、その中から人狼を探し出さなければならない。

失敗すれば自分が殺されるかもしれない。

そんな精神状態で考えてみれば、彼のとった行動は100%否定できるものだろうか?

もちろん、「みんなが助かる」、これが1番良いことです。そんなことは当たり前。

ではそれができない場合は?

誰かを守るために自分を犠牲にする?

ごく一部、そんなかっこいい考え方ができて、さらに実行できる人間もいるかもしれません。

私はそんな風にヒーローにはなれません。きっと自分を守るために、人に対してウソをつくことだって厭わないでしょう。

でもそれって、とても人間的だと思いませんか。

人を殺すだとか、そういう行為を肯定するつもりはありません。

「自分を守るため」のなにか、正当防衛と言えば聞こえが良いでしょうか。

話は戻りますが、ここでの「本音と建前」。

本音=彼女がいなくなってほしい。

建前=その本音を隠して過ごす。

本音が言えないことは、建前にしか過ぎないのではないでしょうか?

だって、この記事を読んでくださっているみなさんは、自分を犠牲にしてまだ他人を守れるようなヒーローばかりじゃないでしょう?

「自分が可愛い。」

「人間の汚い部分」に対して長々と書いてきましたが、

この映画を観て、悲しい・怖いといったマイナスの感情はあまりなかったんです。

逆にホッとしたというか。

こんな言い方をすると、「頭がおかしい」と言われるかもしれませんが、そうじゃなくて、本音の中の、本音の話なんです。

身近な人間に対して、「私はあなたのために命をはるなんて、できません。」とか言えないじゃないですか。

嫌いな人間に対して、「私はあなたが嫌いです。」ってなかなか言えないじゃないですか。

建前を大事にして生きていかなきゃ、生きにくい世の中ですから。

「仕事だから。」、「大人だから。」っていろいろな建前があります。だからストレスも溜まる。

人間なんて自分が1番可愛い。

でもそれでいいと思うのです。

人間関係で疲れている人なんかには、逆にこの映画を観てほしいですね。

ちょっと視点を変えて映画を観るだけで、人間関係ってすごくちっぽけだなと思えるような気がします。

人に優しくできることは大切なことなんですけどね、自分にも優しくしていいんだと思うのです。

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他のレビュアーの感想・評価

残虐なシーン満載で、もう観たくないです!!

もう、この手の作品はお腹いっぱいなんですが…「人狼ゲーム・ビーストサイド」を視聴した感想です。率直な感想を申し上げると、「またこの手の作品かあ」という感じです。もう、テンプレート的なデスゲーム作品ですよね。「バトル・ロワイヤル」の後追い作品というか…。ティーンの少年少女を捕まえて、デスゲームを強制させる。そのシチュエーションなりが、やり尽くされている感じがして、その時点で少し残念な印象を抱いてしまいました。穿った見方だとは思いますが、制作側の「こういうの好きでしょ?」みたいな姿勢が感じられるようでした。ストーリーも、カタルシスも、あって無いようなもので、最初から最後まで胸くそ悪く、それ以上でもそれ以下でもない気がしました。特にプレイヤー殺害のシーンが胸くそ悪く、「何でこんなに長い尺でやるのか?」と意味が分かりませんでした。それをやることに、映画としての意義を感じないんですよね。殺すこと...この感想を読む

1.01.0
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