スカーレット・ヨハンソンの魅力がすばらしい
コメディではないストーリー
これはウディアレンのコメディじゃないタイプの作品でした。プロテニスプレイヤーをリタイヤし、今後の不安を抱える男がテニスコーチの職にありついたところ生徒でやってきた大富豪の息子と友だちになり、さらにその友だちの妹と相思相愛となるというドラマ仕立てですね。
ところがその兄の恋人に一目惚れし、妹と結婚し人生の安定を取るか、セクシーな兄の恋人と一緒になって愛欲を取るか。男としては男冥利につきる困った問題が物語の核になります。そのうち、兄は恋人と別れ、また再会することになって、密会を重ね、ついには子供ができてしまうという事態に。流れは複雑になっていきます。さてさて、離婚を迫られる男。なかなか妻に言い出せず、解決方法は、その女を殺すことということになっていきます。これはまあ、ありきたりの展開ではあります。
そこで一計。殺人を、強盗巻き添え殺人に見せかけるということを思いついてそれをやります。警察からの事情聴取があり、危ないところを、その時の盗品を拾ったヤク中がいて、そいつが犯人とされ、何とか救われるという、ちょっと無理があるオチ。そのあとは、男は罪の意識を抱えたまま生きて行かなくてはいけないという余韻を残します。
スカーレット・ヨハンソンの魅力
ストーリーはありきたりですが、独特の間(音楽のない間とでもいうか)は、ああ、ウディ・アレンかなあとは思ってしまうので、彼らしい作品なのかなかとは納得します。。中盤まで、アレンの得意の室内劇風な理屈合戦映画かと思っていましたが、中盤から動きが出てきます。ストーリー的ににわかに動き出す感じです。特に最後にひねりを忘れないあたりはさすがではあります。なかなかの佳作だとは言えます。とにかく、いつも、俳優がいいということは言える。
なかでもスカーレット・ヨハンソンの魅力があふれています。美人、グラマラス、色っぽい声。男なら誰でも彼女とデートしたいと思う魅力を携えています。逆に言えば、この作品で彼女が出ていなかったら、どうなっていたかと思うと怖い気もします。
好みがわかれるアレン作品
いずれにしてもアレンのこういう作品が好きな人と、コメディが好きな人と、両方を楽しめる人とによって、作品への感じが方は違うのだろうなと思います。いずれにしても、彼の才能は、脚本であり、映像にあり、音楽にあります。私の場合は、ほぼほぼ好きですが、実をいうと、彼が俳優としてでない作品のが好きです。監督に専念してくれたらいいのになと思います。あと、饒舌をおさえる。そうすれば、文句無しに私にとってのナンバーワン監督です。
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