巨匠の描くギャル戦士
「プライム・ローズ」という美少女がコスチュームみたいなのを纏い戦う姿を描いたマンガ
ノリ的にはこんな感じだと思いました。エミヤ・タチという名前の女の子はククリットとグロマン人の対立や階級格差みたいなものがある世界で両方の血を引いた中立的な立場で揺れ動く美少女というわけです。ちょっとばかしロミオとジュリエットのキャピュレットとモンタギューみたいなところがある感じがしますがプライム・ローズでは両者があまりイコールな対等な関係ではなくククリット人がグロマン人に取り入れる、こびるといった風に割と力関係がはっきりと描かれています。
プライム・ローズは24時間テレビ、愛は地球を救う内でアニメ映画としても制作されました
原作では身長が低くて子供っぽいスタイルの女の子のエミヤですがアニメ映画版では何だか大人びてセクシーな感じの色使いもなされています。原作とはまた違った味わいはありますが今回はマンガの方にフォーカスをしてみます。まあストーリー的にはどちらも大体は同じですがアニメ版はザックリと変更が最後のほうで加わる感じになっています。骨組みプロットとしてはタイムパトロールが出て来て日本の一部とアメリカの一部の都市がタイムスリップしてしまって10000年先の世界へと行き着いてしまうということになっています。この2つの都市が二つの種族の起源みたいなものでまあ、タイムパトロールが色々と調べたりするという感じです。
手塚治虫の描く少女図
かなり可愛く描かれていてさすが巨匠といった感じなんですが、手塚治虫自身もすごく女の子好きなんだなあと思わせられてしまって(プライムローズでは得に、描き方とかスポットライトの当て方とかが男の目線っぽい感じが特に出ているなあと思ってしまいました)中々深いストーリー性の中でやっぱり女子プロレスを観戦する気分にさせられるような女の子同士のバトルは現代美少女アニメにも通じます。でも2巻の終業シーンでピラール殿下とことが起こった時のエミヤの反応はめちゃくちゃ少女そのもので巨匠はやっぱり女の子にもなれるんだなあととてつもなく感心もしました。ただやはり女性によって描かれる少女マンガなどと比べるとちょっとギャグな絵柄を入れ過ぎてロマンチストさに掛けてしまっている感はあるんですよねえ。まあこのシーンはまだ子供である戦いの為に明け暮れる1人の少女で半分少年みたいなところを描いているんでこれでいいかなと。手塚治虫らしいなと思いました。
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