不幸な主人公が笑える要素 - 戦勇。の感想

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戦勇。

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映像
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ストーリー
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キャラクター
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声優
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音楽
5.00
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不幸な主人公が笑える要素

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

短編ギャグアニメ

展開の早さは、ギャグアニメならではなものだと思います。早いだけではなく、ネタにテンポを感じられます。だから、短いアニメ本編において、不思議な心地よさがあります。適当に制作しているように感じられますが、テンポを感じられるということは、計算の元に、笑わせるネタが配置され、緻密に制作されていることが伺えることです。アニメ本編からは、有名ゲームコンテンツである「ドラゴンクエスト」の世界観を強く感じられます。ただ、物語として真面目に冒険するつもりはないようで、全編を通して、主人公たちの移動した距離は短いように思えます。ほとんど、刑務所や牢屋の中が、舞台になっているように思えます。また、展開が早い為、落ち着いてみていると展開やネタを見落としてしまうことがあります。アニメ本編を観るのに、集中力を要するアニメ作品なのは間違いないです。せっかく笑わせようとしているネタを見落としてしまったら、それこそ勿体ないことです。また、私は声を出して笑えてしまうほど、お笑いの方向性は好きです。不幸に陥れられる勇者、変態要素、二面性によるギャップと意外性が豊富なアニメだと感じられました。

主人公の存在感

主人公のアニメ本編における役割は、大きく2つです。
1つ目は、それぞれ方向性がバラバラな登場人物に、丁寧にツッコミを入れる役割です。ツッコミを入れることで、笑わせようとする意図は明確になります。笑わせようとしていないのに、ツッコミを入れることはありませんので、勇者がツッコミを入れている場面は、制作スタッフが考える笑って欲しいポイントなのです。笑って欲しいポイントを、明確に視聴者に伝える役割を担っているのです。2つ目に、陥れられることで笑われる役割です。特に、勇者の相棒は、ドSのキャラクター性なので、勇者の不幸な顔をみるのが大好きなようです。また、勇者を不幸に陥れようとする登場人物は、戦士の他にも、たくさん存在します。勇者は、まさに身体を張り、笑わせようとする若手お笑い芸人の位置付けなのだと捉えることができます。勇者である主人公の役割を書き出していきました。しかし、主人公のキャラクターっぽくありません。全然、映像の中で、勇者という立場でありながら、華がないと感じられます。全体バランスを見ても、主人公・勇者の扱いは可哀想に思えてきます。華がないことで、存在感も薄いキャラクターになってしまっています。

登場人物の個性

まずは、勇者の相棒である戦士については、前項で少し述べています。人を陥れることが大好きな、味方でいても、信用できないキャラクター性です。そんなチグハグさが、戦士というキャラクターの魅力なのかもしれません。ただ、間違いなくいえるのは、主人公の勇者より、相棒の戦士の方が目立つ存在です。勇者に対しての、クールな残虐性が、笑いの要素となっています。そして、魔王においても大きな存在感があります。それは、魔王という印象と、登場した魔王の外見に大きなギャップがあったことで、インパクトが強く、印象に残ってしまうのだと思います。魔王という恐ろしい強大なイメージとは裏腹に、アニメ本編に登場する魔王は、幼い女の子です。そして、強い存在でもありません。むしろ、守ってあげないといけないキャラクターです。魔王とは名前ばかりで、キャラクターの方向性は、全然違う方向なのです。他にも、魔王が幼女だから、ロリコン志向の登場人物がいます。とてもイタイ存在ですが、周りを一切気にせず、自分のロリコン志向を貫いています。首筋に「ロリコン命」と書かれた刺青には、正直な感想として引いてしまいます。また、53万という戦闘力数値だけが印象に残る大物の魔物の存在も大きいです。何が目的なのか、よく分からないことが魅力なのだと思います。フワフワとして独特の雰囲気があります。こうして振り返ると、主人公以外の登場人物の個性が尋常ではないです。主人公の勇者の存在感が弱く感じてしまうのも、頷けるように思います。

物語の黒幕

結果的には、最も平和を望むべき王様が黒幕だった、結末が描かれていました。無理矢理などんでん返しのように感じられますが、これまでの成りゆきを考えると、納得のできる結末です。本来は倒すべき魔王を、幼女として登場させていますので、他に意外性のある結末は考えられません。最初から結末まで考えられたうえで、制作されたアニメ作品であることが伺えます。無茶苦茶にみえて、実は、アニメ本編に矛盾点はありません。全ては計算され、脚本そのものが描かれています。そして、見落としてならないのは、1話が数分で構成された短編ギャグアニメで、1話完結スタイルをとっているのに、物語性があり、物語本筋に従ってアニメ本編が進行している点です。ここまで、物語性がしっかりしているギャクアニメもそうはないように思えます。特筆すべき点として、付け加えておきます。

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