兵器開発から人類滅亡へと目的がかわったアンブレラ社
ゾンビ役熱演の中島美嘉さん
この「バイオハザードV」の主題歌は、中島美嘉さんの「明日世界が終わるなら」です。ゾンビたちに乗っ取られてしまった世界にぴったりな曲です。とくに「愛してるって伝えるほかに何ができるの」という歌詞は、本当に世界が終わってしまうような場面になったら、愛している人に「愛してる」と伝えること以外、何をしても無意味なことになってしまうのだろうなと考えさせられてしまいます。またそこに中島美嘉さんのはかなげな歌声が合わさって、「バイオハザード」というホラーアクション映画に人類愛のテーマを感じさせます。
この映画ではもう一つ、中島美嘉さんがゾンビ役として出演していることも話題となりました。実はこの冒頭のシーン「リトリビューション」だけでなく、同じシーンが「バイオハザードⅢ」のエンディングと、「アフターライフ」の冒頭に使用されています。日本で最初に感染した女性の役だったようです。きれいなゾンビとしても話題となりました。この雨のシーンで中島美嘉さんの演技を気に入った監督とミラ・ジョヴォヴィッチさんが、もう一度共演したいということでこの「リトリビューション」でのシーンにつながったようです。激しいアクションシーンがありますが、すべてスタント無しで本人が演じているようです。スタイルもよくきれいな中島美嘉さんですが、躊躇なくゾンビ役を全力で演じられているところがとっても魅力的です。
アンブレラ社は多角経営事業社
今回は海底に大きな実験施設を作っているアンブレラ社ですが、Tウイルスの開発のために様々なセクションで人がゾンビに襲われています。毎回多くの人間を犠牲とするため本物の人間を使用することもできずクローンの開発が必要となったようです。「バイオハザードⅢ」でもアリスのクローンが登場しますが、今度は大掛かりでシリーズのファンには見たことのある顔ぶれがクローンとして再登場します。それが仲間になったり敵になったりするものだから、アリスでなくても混乱してしまいそうです。ベッキーは優しいレインといじわるなレインをみて、二人は姉妹だと思ったのか優しいレインに「さっきいじわるなお姉さんにあったよ」と言ったのを見て、クローンという概念がなければ似ている二人を見れば「姉妹として認識するのが普通」なのかと思わず思ってしまうほどです。
それにしてもアンブレラ社の広範囲における事業展開はすばらしいとしか言いようがありません。すぐに思いつくのは製薬事業と兵器開発事業ですが、地下にあれだけ広大な開発施設を建設したり、アルカディアのように大きな船を造船したりと建設事業も高度なものだと思われます。しかもそれをコンピューター制御していたりするのですから、コンピューター事業としても優秀な会社であることに間違いはありません。多角経営で莫大な利益を得ていたアンブレラ社ですが、Tウイルス拡散のため世界に残っている人類は少なくなり、この時点で実権を握っているのは人工知能であるレッド・クイーンのため、目的が収益をあげることから人間を全滅させることにかわってしまったようです。
オリジナルのアリスとバレンタイン
この映画で中島美嘉さんのゾンビにつづき注目したいのは、なんといってもジル・バレンタインの再登場でしょう。髪の色が黒髪から金髪にかわり、長さも変わってしまっていたため同一人物だと認識するまでに時間がかかってしまいましたが、この姿はゲームの「バイオハザード5」に寄せているようです。戦闘能力は非常に高く、レインのようにTウイルスで強化してなくても十分強いようです。
ここでバレンタインについていた胸のクモ型デバイスですが、クレアの胸についていたクモ型のデバイスと同じものでこれがあるためにレッド・クイーンに操られていました。クレアは正気に戻るまでに数日かかりましたが、バレンタインは外すとすぐに正気に戻りアリスに加勢します。そこはやはり身体能力の違いなのかもしれません。昔の仲間がクローンとして次々と登場してくる中、バレンタインはオリジナルのままで攻撃部隊を率いているところからも、アリスに匹敵する戦闘能力があることがわかります。
いよいよ完結編へ
レッド・クイーンは人類を滅亡させるためにゾンビを強化しています。これまでのゾンビとは違い武器を使い、バイクや車を運転しています。「食す」という本能のみで動いていたゾンビたちですが、ある程度の知能を回復することができているということは、アイザックス博士の研究がうまくいったのでしょう。レッド・クイーンの命令を理解し実行するゾンビが相手となれば、普通の人間では対抗しようにもひとたまりもありません。「アフターライフ」でウェスカーによって普通の人間に戻されてしまったアリスですが、またTウイルスを注射されて能力を戻されます。それほど完結編に登場するゾンビたちは強敵と言えるのかもしれません。
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