大人も楽しいと思える漫画
大人になって共感する漫画です
私がこのクローバーという漫画に出会ったのは学生時代です。その時は学生だったのでOLというものはこんなものなのだと思ってわくわくしながら見ていた記憶があります。けれど、展開的にいつも同じような感じになってしまうことが多かったので、学生時代は飽きてしまい途中で読むことを止めてしまいました。しかし、大人になって自分もOLとして働くようになり、また再びこの漫画と再会しました。昔はそうなのだと、知らない世界を知ることができる大人の漫画という位置づけだったかもしれません。しかし大人になってよむクローバーはそうそうと、つい頷いてしまう自分にとっても身近な漫画になっていました。この漫画で私が一番気に入っているところは、登場人物の心の声がとてもキレイなところです。吹き出しで登場人物が話しているものではなく、ナレーションのように漫画に書いてある部分です。例えばコンビニに入って一人でお弁当を買ってお店をでる、その時にカップルが前を歩いていたら石を投げつけてやりたくなる。自分はひとつのお弁当を持っていて惨めになる。けれど、自分がそのカップルの女の子になるとそんな後ろの女性の気持ちなんて忘れてしまうのだというシーンです。痛いほど分かりました。自分がそのカップルの立場になるとついつい一人でいた寂しさなんて忘れてしまうのです。どうして忘れてしまうのでしょうか。自分だってその経験はあるのに、幸せはきっと不幸だった記憶を忘れてしまうのだなと漫画を読んで改めて思いました。
モテテクを学ぶ
この漫画の主人公である、さやは恋愛に対して臆病な主人公でした。そんな主人公に柘植さんという上司が恋愛のリハビリをしようと言う事で物語が始まります。恋愛に臆病になってしまうのは、傷付いたことがある女性なら一度はあります。そんな自分に救いの手を差し伸べてくれるのはいいなと思ってしまうのでしょうか。そんな女性のいいな、私も経験してみたいという気持ちをこの漫画を読むたびにもってしまいます。さやという女の子は少しだけおっちょこちょいで、女性からしても守ってあげたいなと思ってしまう女の子です。そんな彼女を見て、女性とはこうしたらカワイイのかな、というモテるためのテクニックを密かに学んでいます。
脇役だって主人公
この漫画には登場人物が多く登場します。さやのお友だちである里李香は数多くの恋愛をしています。いつも男性と恋に落ちてはダメになり、結局は不倫をして子どもを妊娠してしまいます。そんな彼女を読者は呆れてみているのでしょうか。それは違うのではないかなとクローバーを読んだ私は思います。主人公だけではなく、脇役であるさやの友人の話も丁寧に書かれているので、里李香が幸せになることを祈ることができました。みんなが幸せになれば嬉しいなと思える漫画は数多くはありません。この漫画にはそんな暖かい気持ちになれるのです。どんなに男性で失敗しても、この人は信用できるのではないかと思ってしまいます。それはその人のことが大好きだからです。どんなに辛い恋をしても、またそんな気持ちになれる里李香はすごいです。それを懲りない人だという人もいるかもしれません。けれど私は里李香を懲りない人とは思えません。むしろ人の魅力を知ることが出来るステキな女性だと思っています。
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