作品タイトルに違和感!? - 魔界都市<新宿>の感想

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魔界都市<新宿>

4.204.20
映像
3.00
ストーリー
3.00
キャラクター
5.00
声優
5.00
音楽
5.00
感想数
1
観た人
1

作品タイトルに違和感!?

4.24.2
映像
3.0
ストーリー
3.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

作品タイトルの面白さ

「魔界都市<新宿>」という作品タイトルから面白さが漂っています。
「魔界都市」という空想の世界を思い浮かべる世界観、そして、実際に存在する地名である「新宿」、この2つのイメージが合致しないことが面白いのです。現実社会における「新宿」とは、日本の首都である東京の大都市です。そこには、魔界都市というものを感じさせる要素は一切ありません。印象が異なる2つを組み合わせることで、興味をそそられるものは強いのではないでしょうか。
コンテンツとの初対面で、強烈なインパクトを放っているのが、「魔界都市<新宿>」なのです。
アニメ本編においても、新宿という都市が、魔界都市になってしまうという面白い物語が展開されていました。現実の新宿とは、あまりに印象が違う世界観の物語で、アニメ本編に引き込まれてしまうものがあります。
作品タイトルとアニメ本編の内容に、引き込まれてしまう魔力のようなものを感じてしまいます。
空想の世界と、実在する地名を組み合わせるというタネがあり、魔力・魔術というより、手品なのかもしれません。しかし、とてもユニークで面白い工夫だと思います。このアイデアは素晴らしいものではないでしょうか。

冒頭部分のダイジェスト

オープニング曲から、アニメ本編は始まるのではなく、その間にダイジェストが挿入されていたのが印象的です。
観る前から、世界観を知ることができます。そして、気になる場面があれば、先の展開が気になって、アニメ本編に没頭してしまいます。なかなか、他のアニメ作品では見られない手法だと思います。そして、現代のアニメ作品においても使用されている手法ではないことから、それだけでも斬新なものに映ります。
私は良いアイデアで、もっと他のアニメ作品で同じ手法が活用されて良いように感じました。
しかし、現実には、それを活用されたアニメ作品を知りません。良い手法であれば、模倣されるものだと思うのです。より良いアニメ作品を制作する為には、色んな他アニメ作品を観て勉強して、流用できそうなアイデアは取り入れられるものではないでしょうか。
今のアニメ作品において、この手法が活用されたものがない事実が、世間では、この手法が評価されなかったことを表しているのでしょう。面白いアイデアで効果も絶大なだけに少し残念に思えますし、普及しなかった理由も分からないです。

高校生らしい純粋な恋愛

主人公とヒロインが高校生という年齢であった為、恋愛要素においても、清く正しいものだったように感じられます。
その部分においては、ほのぼのとさせられるものがありました。
きっと、主人公「京也」においては、「さやか」に一目惚れしたのだと思います。そうでなければ、「京也」の行動に説明がつきません。「さやか」のことを助けようとしないのだと思います。物語を作っていく為、「京也」は「さやか」に一目惚れしなければならなかったとも考えられます。
ヒロインの「さやか」は容姿端麗で、絵に書いたような女性です。
非の打ち所のない完璧な女性像だといえます。「京也」ではなくても、誰でも一目惚れしてしまうような女性像なのではないでしょうか。そう思えるから、「京也」の行動も自然なものに感じられます。
こういった物語の流れが自然なものに感じられ、突拍子のない流れがなく、上手く纏められていると思います。
必然性が感じられ、違和感を覚えることがないのです。また、矛盾していることもなく、アニメ本編を楽しむことができます。
振り返って考えてみても、よく練り込まれた物語だと思います。

盛り上がらないクライマックス

「魔界都市<新宿>」というアニメ作品において、「レヴィ・ラー」と戦う場面は、クライマックスだったはずです。
しかし、盛り上げ方としては、中途半端なものに感じられました。あまりにも、あっさりしていたように思えてならないのです。新宿という主要都市を破壊できてしまうほどの強敵だったはずなのです。
そして、剣術や念術は未熟だった「京也」が、そう簡単に勝てるはずがありません。
また、父親の形見であった木刀の登場で、形勢が一気に逆転しているのも微妙です。物語の大筋としては、上手く考えられていると思うのですが、肝心なクライマックスで盛り上がりに欠けるようなことがあってはダメだと思うのです。
その部分は下手で、バトル展開に残念さを感じてしまったところです。

強調されている要素

上記のことから、物語本筋における戦う場面より、恋愛要素に比重を置いていたのだと思います。
むしろ、「京也」と「さやか」の関係性が、物語本筋として設定されていたのかもしれません。それは、二人が結ばれ、子供を作るであろうと想像させる物語結末にも表れているように感じられます。
メフィストの最後のセリフにあった言葉、「希望」が指すのは、「京也」と「さやか」の子供であることは明らかです。
あまり実感はありませんが、「京也」と「さやか」の関係性を物語本筋に設定されていたのであれば、「魔界都市<新宿>」というOVA作品はラブストーリーだと受け取ることができるのではないでしょうか。

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