「お笑い」についての考察アニメ
アニメ作品の意図
斬新な切り口で「お笑い」について考察しているのが、「直球表題ロボットアニメ」というアニメ作品なのだと思います。
それによって、観る側を笑わせようとするバラエティー要素も意図されているのではないでしょうか。それゆえに、登場人物は人間ではなく、ロボットたちで構成され、人類が滅んでしまった世界が背景になっています。戦闘ロボットたちによる戦争が、人類滅亡しても、続いている状況というのがシュールな世界観だと思います。そして、その状況を「お笑い」で解消しようと、ロボット三体が、観る側に対して、可笑しな存在に映そうとしているように感じられます。
制作スタッフの意図が見え見え過ぎて、さむい笑いになっています。
積極的に攻めの姿勢で、制作されたアニメ作品であることは重々に感じられます。しかし、アニメ本編は考察に絞られたものとなっているので、笑える内容になっていないと思います。意図するものは、とても理解できます。
しかし、見事に空振りになっているアニメ作品だと思います。
「直球表題ロボットアニメ」というアニメ作品は、ギャグアニメというジャンルに分類されるのだと思います。しかし、ギャグアニメでありながら、笑えないというのは悲しいものではないでしょうか。私が偉そうにいえることではありませんが、意図が絞り込まれていたら、もっと存在意義を感じられたアニメ作品だといえます。
「お笑い」について考察する意図が強いのであれば、アニメ本編で笑わせようとするのではなく、真面目に考察する内容であった方が良かったのだと思います。また、ギャグアニメとしての存在意義を意図するのであれば、「お笑い」を考察したような内容を抑えていくべきだったように感じられます。
笑えない理由
「お笑い」をテーマにした内容でありながら、アニメ本編の内容は正反対になっている感じが強く、矛盾しているのではないでしょうか。
その点が中途半端であり、意図するものがボケてしまっているのだと思います。着眼点やアイデアは素晴らしいアニメ作品だと思いますが、それが活かされた内容に仕上がっていないのだと思います。
お笑い芸人が「お笑い」について、ネタの解説をするのはさむい、と言われています。
これには、説明しないと理解できないネタ自体がさむい、と捉えられます。また、説明している時、客に笑いは起きません。冷静に理解しようとしてしまい、場の空気が変わってしまうこともあるのだと思います。
しかし、「直球表題ロボットアニメ」というアニメ作品そのものが、「お笑い」ネタを解説する内容になってしまっているのです。
お笑い芸人がタブーとしているもので、アニメ本編が構成されてしまっているのです。当然のことながら、笑えない内容になるのも頷けてしまいます。
存在意義について
もし、「お笑い」についての考察に絞った内容で構成されたアニメ作品なのであれば、トークの勉強になったコンテンツだと思います。
また、お笑い芸人という立場であれば、テキストや教科書のような位置付けになったコンテンツになったのかもしれません。しかし、アニメ本編の仕上がりは、そのようなレベルには至っておりません。
率直な感想、少し残念に思えてしまいます。
また、観る側を笑わせることを強く打ち出したアニメ作品なのであれば、登場人物の個性が弱いコンテンツだといえます。
ギャグアニメというジャンルにおいて、登場人物の個性は強烈なものでなければ、なかなか笑いは起きません。おとなしい女性ロボットで構成されている構図は、観ていてもインパクトに欠けるものだと思えてしまいます。
率直な感想、少し残念です。
それでは、私なりに新しい存在意義を見出していきたいです。
登場人物はロボットで構成されたアニメ本編で、「笑い」をテーマにされたコンテンツです。
すなわち、生身の人間を客観視した存在だといえます。これは拡大解釈かもしれませんが、人間という存在を「お笑い」という観点から、客観視したアニメ作品だといえないでしょうか。
人間の感性って、冷静に考えると不思議だと思うのです。
改めて考えてみると、何故こんなことで笑えてしまうのだろう、と思える内容が多かったように感じました。普段はギャグアニメやお笑い番組を観て、ゲラゲラと笑っている自分自身を客観視してしまうような気分になります。
そして、「お笑い」のテーマは日本の笑いに絞られていたので、人間というよりも日本人という枠組みに絞られるのかもしれません。
外国の方が、日本人を理解するのに分かりやすい内容だといえるのかもしれません。外国の方は、日本の笑いを理解できない方が多いと思うのです。生まれ育った環境が違うことで、価値観や感性が異なるのでしょう。しかし、日本の笑いが解説された「直球表題ロボットアニメ」のアニメ本編においては、外国の方が観ることで、日本人をよく理解できるのかもしれません。
「日本人の取扱い説明書(お笑い編)」と言い換えることができるように思います。
これが、私自身が、このアニメ作品から見出すことができた存在意義です。
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