夢を追うのは男だけの特権ではない! - 太陽の船 ソルビアンカの感想

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太陽の船 ソルビアンカ

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映像
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ストーリー
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キャラクター
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声優
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音楽
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夢を追うのは男だけの特権ではない!

4.44.4
映像
5.0
ストーリー
3.0
キャラクター
4.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

作品タイトルの考察

「太陽の船 ソルビアンカ」というOVA作品のタイトルについて、特に、「ソルビアンカ」が何を表しているのか分からないので調べてみました。

英語表記すると、「Sol Bianca」と表され、二つの英単語によって成り立っています。そして、それぞれを直訳すると、「Sol」は太陽を意味し、「Bianca」は白を意味するようです。また、女性の名前として、「Bianca」が用いられることがあるそうです。

「Bianca」を白と解釈するなら、日本語表記で「太陽の白」となり、太陽の船を指した言葉だと受け取れます。よって、「太陽の船 太陽の船」と捉えられます。元々は「SOL BIANCA」という未完のOVA作品がリメイクされたのが、「太陽の船 ソルビアンカ」というOVA作品のようです。「ソルビアンカ」の部分を和訳表記させ、タイトルに加えられたのだと思います。

ただし、「Bianca」は女性の名前を意味しているので、船の名前だけではなく、女性海賊メンバー全てを指しているものという解釈もできます。

調べてみると、色々と考えて名付けられていることが伺えます。制作スタッフがどのように考え、命名したのか、事実は分からないです。しかし、自分なりに考え、想像してみるのも面白いです。

 

かっこいい大人の女性

女性の幸せについて、考えさせられる物語性だったように思います。

日本における一般的な考え方として、好きな男性と結婚して、子供を産み、育てていく風潮は強いのではないでしょうか。実際にも、アニメ本編の中で、そのことを巡って仲間同士の喧嘩に発展しています。そういった場面が描かれている事実は、そのことを強調させる強いメッセージのように感じられます。

風潮に流されなくても、幸せな生き方はできます。人それぞれ幸せのかたちが違うことが作品自体の強いメッセージなのだと思います。

この「太陽の船 ソルビアンカ」において、恋愛要素は、とても弱いアニメ作品です。それ自体においても、珍しいことではないでしょうか。女性の登場は、恋愛要素を打ち出すものとして描かれていることが多いように思います。しかし、それをしていない事実は、一般的な考え方や風潮を否定していることの表れなのだと受け取れます。

好きな男性と結婚することだけが女性の幸せではないし、夢があるのであれば、それを追っかけるのも幸せの形なのだと感じさせます。

特に、主要メンバーの女性人物をカッコ良く描いていることも、それを物語っているのではないでしょうか。

「海賊」ということが一般的ではありませんが、一般的な考え方に置き換えるのであれば、仕事や趣味に置き換えることはできると思うのです。逆に、置き換えることをしないと、制作スタッフのメッセージ性は受け取れないように思えます。

 

地球という幻影

アニメ本編で描かれていた地球の姿が印象に残っています。地球の姿を直接的に、あのように覆い隠した様子を描いたアニメ作品を知りません。そして、覆ってしまうことで、地球の姿に希望を抱かせている世界観が感慨深いものがありました。

遠い未来において、地球があのような姿になることがあるのか、想像させられるものがあります。環境破壊が進み、改善される取り組みが成されていますが、一向に改善されていく兆しがみえません。

ひょっとしたら、人類は自滅してしまうのかもしれません。

また、人類が地球外に居場所を求める未来が訪れることだって、実現される可能性のあると思います。間違いなく近い未来ではないでしょうが、科学技術が進むことで、現実的に起きり得ることではないでしょうか。今の方向で環境破壊が進めば、人類という存在が消滅するのか、地球外に居場所を求めるのか、選択に迫られることは間違いないことだと思います。

こういう地球の姿を描くこと自体が、環境破壊問題に対しての警告なのかもしれません。

 

仲間に加わったメイヨ

ソルビアンカの中で、ゲストとして描かれていた幼い女性キャラクターであるメイヨの存在は大きいのではないでしょうか。

無口な性格であり、控えめなキャラクターです。そのことから、アニメ本編では目立つ存在ではありません。むしろ、忘れ去られる印象の弱いキャラクターなのではないでしょうか。

他の登場人物たちが個性的で、うるさいことも挙げられます。自己主張が強いので、メイヨの存在感は本当に薄いです。

しかし、物語の結末は、そんなメイヨも海賊仲間に加わることを予想させる終わり方をしています。実の両親が死んでしまった事実を知り、居場所がなくなってしまったメイヨを、ソルビアンカのメンバーが引き取ったかたちなのだと思います。

ただ、メイヨをそのまま受け入れる表現もカッコ良かったです。ソルビアンカのリーダーであるエイプリルが、開拓時代のピストルをメイヨにあげることによって、意志表示をしている表現にセンスを感じられます。言葉で示させるのではなく、行動で暗にそれを示していることが男らしさを感じさせるのです。

ただ、この後の展開として、メイヨが海賊活動に参加するのか、しないのか、それは想像に委ねられている部分です。

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