中二病を扱っている痛さ - AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜の感想

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AURA 〜魔竜院光牙最後の闘い〜

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映像
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声優
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音楽
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中二病を扱っている痛さ

5.05.0
映像
5.0
ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

中二病の症状は様々

ネット用語では、「厨二病」とも表現されるものです。ネット上のフリー百科事典、「ウィキペディア」によると、症状も大きく三つに分類されるようです。

「DQN系」と呼ばれ、不良をカッコ良いとして、その姿や行動・言動を模倣するタイプ。

「サブカル系」と呼ばれ、世間の流行に逆らい、他者との違う路線を突き進むタイプ。

「邪気眼系」と呼ばれ、空想世界などを好み、自分の世界を形成してしまうタイプ。

記載されている説明文章を読み、自分なりに解釈して要約すると上記の内容だと受け取れます。

「AURA~魔龍陰光牙最後の闘い~」においては、「邪気眼系」のど真ん中を描いたアニメ作品なのではないでしょうか。一部、「サブカル系」も含まれているような気がしますが、色濃いのは「邪気眼系」なのだと考えられます。

自分自身の過去を振り返ったとき、思い当たる節があって、恥ずかしい気分になりました。しかし、中学二年生ではなく、小学6年生辺りに訪れましたので、「幼さ」で済まされるレベルだったように振り返ります。

こういう思考に捉われる時期って、一般的ではないのでしょうが、極少数ではあっても思い当たる過去がある人はいると思うのです。そういった限られた層にしか理解できない内容のアニメ作品だと思いますし、それだけ観る側の層を絞った内容なのだと思いました。

中二病は一般的なものではないのです。しかし、そこに向けて制作されたアニメ作品であることは間違いない内容だと思います。ただ、思い当たる節がない人においても、こういう症状がある現実を認識して、理解してもらうキッカケにはなるアニメ作品なのかもしれません。

特に、主人公の佐藤 一郎(さとう いちろう)は中二病から脱した存在であり、一般的な目線から、経験者としてアニメ本編が描かれています。あくまで、一般的な目線で描かれていますので、観る側に気持ち悪い印象を抱かせるものではないように思います。

 

学校生活のいじめ問題

「AURA~魔龍陰光牙最後の闘い~」というアニメ作品をリアルに感じさせる要素として、学校生活でのいじめ問題が挙げられるのではないでしょうか。そして、嫌な現実から目を背け、自分の殻に閉じこもってしまう印象を持ちました。

地味な嫌がらせを続けたり、弱みを握って脅したりする場面を克明に描くことで、アニメ本編においてのリアル感を増させるものだと思います。そして、それが症状を悪化させ、現実逃避に拍車をかけているように描かれていたのではないでしょうか。

ただし、アニメ本編の現実感を打ち出すために、このような描写をしたのではないようにも受け取れます。現実感を出す為だけなのであれば、いじめ問題ではなくても、他にも描き方は色々あったように思うのです。しかし、いじめ問題を取りあげることによって、子どもたちが親や周りに助けを求められない事情を分かりやすく描かれていたように思います。

子ども達の間にも人間関係は構築されており、色んな要素があって複雑化することで、素直に助けを求められない環境になっているのです。この部分だけを切り取ってみても、分かりやすい構図になっていたように感じます。

 

実写化できそうな物語

アニメ作品としての存在感が大きいですが、実写化できそうな内容であることも間違いのではないでしょうか。ファンタジーな描写は物語冒頭の部分のみで、ほぼ学園生活を中心に物語は進行していきます。

学園ドラマとしての位置付けが強いアニメ作品だと思います。実写化するにあたって、CG技術を多用する必要もなさそうですし、衣装に凝ることが必須なだけだと思います。劇場版アニメという存在ですが、アニメ作品である必要はなかった内容だと考えられます。

アニメ作品ではいけない理由もないですが、実写化されたら面白い映像になることが目に浮かびます。

一般の方に共感されるような内容ではありません。

しかし、一般の方に、「中二病」を理解してもらうには十分なアニメ作品だと思うのです。そういった意義の強いコンテンツだと思いますので、実写化に期待したいタイトルだというのが率直な感想です。

制服姿やコスプレが似合いそうな橋本環奈さん主演などにしたら、イメージに合致して、良い実写作品に仕上がるのだろうと想像してしまいます。

 

現実逃避からの覚醒

物語冒頭部分でのフェイントは、面白いものでした。ファンタジーアニメなのか、と途中まで勘違いしていました。しかし、全然違ったものを描く内容で、制作スタッフに騙されてしまいました。

物語中盤を過ぎるまでファンタジー要素が打ち出されないので、不思議に思っていたら、思わぬ方向に話が進んでいきました。振り返ってみると、観ていた私自身の反応は制作スタッフの手の平で踊られていたに過ぎなかったのでしょう。悔しさすら覚えるものがありますが、不思議と観終わった後に不快感は残りません。

それは、現実逃避から立ち直った佐藤 良子(さとう りょうこ)の存在が大きかったからではないでしょうか。アニメ本編では、ずっとコスプレ姿でいましたが、最後の最後で制服姿が描かれていました。この場面でのインパクトが強すぎて、騙されていたことが頭から消えてしまいます。そして、良子にとって良い兆しの場面であり、現実に立ち向かっていく意思表示を描く場面です。

最後に、制服姿の良子は可愛かったですね(笑

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