あの頃の私は何も知らない子供だった。世界は幸福と希望でできたお菓子の国だと信じてたわ。
コゼット・ドーヴェルニュ
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コゼットの肖像は2004年に3巻に渡って発売されたOVA作品である。多くのアニメファンから絶賛される大人気作品を多数生み出してきた新房昭之監督の、その独特な演出技法の原点となるのがこの作品であると新房監督本人は語っている。 そして音楽プロデューサーの梶浦由記やキャラクターデザインの鈴木博文など、新房監督の作品と縁あるスタッフ達が制作に携わっている。 この物語は、骨董店「香蘭堂」でアルバイトをする画学生である主人公、倉橋永莉が古びたカットグラスの中から見えた金髪碧眼の美少女コゼットに思いを寄せ、幻である彼女との逢瀬を楽しむなかで悲劇に巻き込まれていくダーク・ファンタジーである。 またこの作品は、多くの作品に出演している人気声優、井上麻里奈(コゼット・ドーヴェルニュ役)が声優オーディション合格後デビューを飾った作品でもある。井上は梶浦由記プロデュースによる本作の主題歌と挿入歌を担当し、歌手としてもデビューを果たした。
垣間見える芸術性アニメ本編において、画風が切り替わるポイントがいつか存在します。通常は、一般的なアニメ作品を思わせる画風のアニメ作品ですが、デフォルメされた画風で描かれる場面があります。特に、不思議な絵の中の世界で展開される、感情の表現に特定されているように思われます。わざわざ画風を切り替え、人物の感情表現をするということは、それだけ強調していることの表れだと受け止めることができます。しかし、アニメ本編の物語としては、重要な位置付けの場面ではないように感じます。それなのに、敢えて強調した描写をする意図には考えさせられるものがあります。私が推測するに、一般的なアニメ作品とは位置付けが違うのではないでしょうか。一般的なアニメ作品は、物語とメッセージ性で構成されているものだと考えています。しかし、この「コゼットの肖像」というアニメ作品においては、一般的な作品とは別路線で、芸術性を求めて制作さ...この感想を読む
鬼才・新房昭之の手によるゴシックホラーまどか☆マギカ他独特の演出によって根強いファン層を獲得している新房監督が手掛けた、あまり日の目を浴びなかった作品です。主人公の美大生、倉橋永莉は古物商でアルバイトをしており、売り物であるヴェネチアングラスに魅せられます。永莉はそのヴェネチアングラスのなかに『コゼット』という少女の姿を見出しており、儚く、可憐な姿に陶酔していきます。やがて永莉は『コゼット』に魅入られるあまりにガールフレンドよりもヴェネチアングラスを優先し、彼女を傷つけてしまうような行動に出るようになります。果たして、人間よりも器物を尊ぶ永莉はどのようになってしまうのか……? というのが1巻前半の内容です。全体的にふわふわとした感じが批判点抽象的。この作品の良い点も、悪い点もその言葉に尽きるでしょう。何が、どこで、どうなっているのか。物質的な見解は全然分かりません。ただし誰が、なにをしよ...この感想を読む
コゼット・ドーヴェルニュ
自分が殺された時のことを語っている時に子供だった自分を振り返って言ったセリフ