「迷い」と「意志」 - 弱虫ペダルの感想

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漫画レビュー数 3,135件

弱虫ペダル

4.504.50
画力
3.75
ストーリー
4.13
キャラクター
4.25
設定
4.50
演出
4.38
感想数
4
読んだ人
8

「迷い」と「意志」

5.05.0
画力
2.5
ストーリー
5.0
キャラクター
4.5
設定
5.0
演出
5.0

目次

出会いが生み出した「結果」

自転車競技とは縁もゆかりも無かった坂道が、趣味のためにママチャリで通っていたアキバでの鳴子との出会い、寒咲や今泉との出会いで「乗る」ことから「競う」ことに変わって自分が一番になりたいのではなく、誰かと走りたい、誰かに託されたから応えたいという気持ちでの走りをしていく成長というよりは変化の物語。メンバーを決めるレースでのペダルが壊れた時には競った手嶋がクリートとペダルを授ける、インターハイで落ちたとしても「みんなで走りたいから」危険な走りになったとしてもボロボロでも追いつく。いつでも坂道は独りで走ることはしない。

競争相手との「出会い」

勝ちに執拗な京都伏見の御堂筋。彼を純粋と捉えて不気味さや怖さよりも「ザク」発言からアニメ好きと思い追いかけたり、同じように楽しむクライマーの真波とは相手チームながらも「競いたい」と思うようになったり。集団に飲まれた際に自身が苦手とするタイプの荒北靖友に協調を提案し、素直な想いをぶつけ認められて真波と共に先頭まで運んで貰い、最後はその真波と優勝を争うことになる因果も。

変化するのは坂道だけじゃない

アシストを貫き通しオーダーをこなして最後燃え尽きるまで走った荒北の「熱」は後輩である黒田にしっかりと受け継がれている。黒田はプライドの高いエリートながらも荒北にプライドを折られ、頭を下げて教えを請うても真波には届かずインターハイには参加出来なかった。翌年のインターハイではエースクライマーの3番は真波になり、黒田はエースアシストの2番。最強のクライマーの称号を継ぐことが出来なかった黒田。しかしその黒田には荒北のナンバー「2番」が与えられている。ゴール前まで敵チームと協調したとしても決してエースには引かせない、壁に激突するようなコーナリングで怪我を負ってでもエースをゴール前まで届ける。落車したとしてでもエースの背中を押して、時間と気持ちを託す。荒北の「貫き通す」強さはそのナンバーと共に黒田へと受け継がれている。

余談だが1年目のインターハイ1日目では荒北に煽られながら走った今泉は2年目には黒田に「エリートの顔だ」と煽られている。ここにも因果が。

それでも「競技」

それぞれが熱い想いと力を受け継いで戦ってる。それでも勝つのは一人。例え最後のインターハイでも、使命を背負ってても。勝つのは一人。全力を出しても届かないこともある。共に走った人が落ちていくこともある。最後までみんな一緒には走れない。そんな中でも、想いを、そのジャージを一番にゴールに届けるために全力で戦う。負けたとしてもそこに恨みはない純粋な「戦い」であり「勝負」。競争を無くしていこうとする日本の教育に対して、競う楽しさを教えてくれる素晴らしい作品と自分は思います。

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人生の大切さを教えてくれる作品

個性的な登場人物この漫画の登場キャラクターは個性の強い人ばかり!アキバオタク、関西人、エリート、凡人、不良、パワーバー、カチューシャ、筋肉、脱皮する人まで(笑)弱虫ペダルを一度でも読んだことがある人はこの特徴をきいただけでもどのキャラクターを表しているかわかるのではないだろうか。その特徴以外にも頂上の蜘蛛男、暴走肉弾等、石道の蛇、森の忍者、直線鬼、最速の槍、植えた野獣、などもあります。そんな個性的な登場人物ですが、一人一人のストーリーが凄いんです!それがわかるのが弱虫ペダルスペアバイク!スペアバイクではその一人一人の今までの出来事が詳細に描かれています。例えば主人公小野田坂道の先輩、巻島裕介は頂上の蜘蛛『ピークスパイダー』と呼ばれ独特なスタイルのクライムを披露する。だが入部当時はその異様なクライムを気持ち悪がられ先輩達からは強制させられていた。そんな事があったからこそ、巻島先輩は小野田に...この感想を読む

5.05.0
  • ミジンコミジンコ
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僕の最高の漫画

弱虫ペダルのここが面白い私が思う弱虫ペダルの面白いところは誰もが予想し得ないストーリー展開にあると思います。例えば主人公が1年生の時のインターハイで一度は主人公は最後尾になってしまいます。しかしそこからまさかのトップグループまで巻き返します。普通のロードレースならあり得ませんね。しかしこれぐらいストーリー展開が激しいとみている方はワクワクして来ます。他にもインターハイ2日目でも田所を連れて最終グループからの追走しトップグループの箱根学園、京都伏見高校に追いつきます。福富は予想していたようですが、御堂筋は予想していなかったようです。自分が読んでいた時も御堂筋と同じリアクションでした。総北すげーとここの中で叫んでいました。さらに弱虫ペダルの面白いところをあげると、それはライバルたちの勝負だと思います。印象に残っているものをいくつかあげると、まずインターハイ最終日の御堂筋と今泉の勝負が印象に...この感想を読む

4.04.0
  • sakanasakana
  • 186view
  • 2246文字

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