この作品がアニメ化されたことに驚き！！ - 変ゼミの感想

ほぼアダルトアニメですよね

これだけの過激な描写が含まれるアニメが放送されていたものだ、と驚きです。実際に放送を視聴していたわけではありませんが、映像を観ていてビックリさせられました。OVAなのか、と思っていたら放送されていたアニメだったのですね。

これは間違いなく子どもが観ちゃいけない範疇のアニメ作品だと思います。物語の展開で、普通に男女が行為に及んでいますよね。ここまでダイレクトに性表現しているアニメ作品を私は観たことがありません。私の中では唯一無二のアニメ作品になってしまいました。

絵風や登場キャラクターなど、可愛らしく、とても柔らかそうに描かれているのが印象的でした。ほのぼのとした感じがするのですが、観ていくと絵風と展開、アニメの中で行われている行為などにギャップを感じました。特に話が進めば進むほど、性表現や行為も過激になっていったように思えました。

唯一、主人公が処女でノーマルの女性だったことで、過激な部分が抑えられていた感じもします。しかし、ノーマルだった主人公も徐々に考え方や変態行為に寄っていっていますので、後半になればなるほど過激になっていったのかもしれません。

特に最終話は、高速道路を車で走りながら、後部座席で男女の行為が行われています。ずっと喘ぎ声がしているので、視聴するのに細心の注意が必要でしょう。家族で観ることができるアニメではありませんし、一人、部屋で観ていても、声が外に漏れていたら大変です。

よく公共電波を通して放送されたことで問題にならなかったな、と思えてしまいます。

 

主人公の悲劇の始まり

主人公、ナナコはコムギに一目惚れして、「変ゼミ」に入ってしまいます。これがあるからこそ、物語が始まっていくのでしょうけど、ナナコからすると、悲劇の始まり以外のなにものでもないように思います。それだけコムギのことが好きだったのでしょう、普通はこの感覚についていけなくて諦めるような気がします。それでも、ずっと「変ゼミ」に所属し続けるということは、きっとナナコのコムギへの気持ちの表れなのだと思います。

そして、コムギという登場人物も、個性が強いのか、弱いのか、掴みどころがない人物として描かれています。見た目は優男ですが、変態度が相当に高く、まともな社会生活を送ることができるのか疑問に思うほど変わっています。そしてこの物語の面白い部分は、コムギはナナコの気持ちに気付いていながら、もてあそんでいることでしょう。観ていると、ナナコはいつも困らされていて、それが一般目線からは気の毒に映って、笑ってしまうのだと思います。もしもの話ですが、ナナコとコムギが付き合ったら、それはそれでナナコはずっと困らせられるのでしょうね。そして、その様子に興奮するコムギという、常軌を逸した関係になっていたでしょう。

ナナコの恋心は、まさに不幸の始まりだったと思うのです。

 

変態と呼べる領域を通り越している

改めて、ウィキペディアで登場人物の変態嗜好をみていくと、作品そのものの振り返りになります。主人公ナナコは、「無し」と記載されていて面白いです。確かにその通りで、彼女は周囲の「変ゼミ」メンバーに振り回されているだけでした。「無し」という言葉に、振り回されていた彼女の存在感が集約されているように思います。

そして、次に気になった変態嗜好ですが、マキコの「共依存」という項目です。確かにアニメの中で、共依存を描かれていました。しかし、これは変態嗜好ではないように思うのです。また、ナナコの後輩にあたる、あんなちゃんですが、「人格の解離と統合」と記載されています。アニメの中でも、多重人格者のような一面を見せていました。

しかし、マキコにおいても、あんなにおいても、この項目は変態嗜好に当てはまらない気がします。「変ゼミ」に所属している個性的な人物たちではありますが、マキコとあんなは変態ではなく、精神に問題を抱えた、気の毒な女の子たちであることに気付かされました。

ミワコに関しては、ど真ん中過ぎるくらいの変態です。色々とウィキペディアにも変態嗜好が記載されていますが、どの項目もブッ飛んでおり、登場人物の女性の中で放つ存在感はすごいです。

コムギを含めた、三人の「変ゼミ」男性メンバーですが、確かに変態属性は強いです。しかし、最も強烈なのは、やはりコムギのような気がします。イケメン、優男なのに、度を越した変態指数、それを隠そうともしない精神力はすごいです。天然の括りでいえば、天然なのかもしれませんが、天然という言葉では足りないレベルに到達している気がします。

しかし、ウィキペディアの登場人物のそれぞれの変態嗜好をみていて、改めて、気付いたことがあります。すでに「変態」で済む領域ではないということです。この学生たちはどこに向かっていくのだろう、と考えると未来が全く見えないのです。最終回した後に、それぞれがどうなっていくのか、想像するのも楽しい部分だと思います。しかし、それそれの登場人物の未来が容易には予想できないのです。

それはこの登場人物たち、それぞれが「変態」を通り越し、「奇人・変人」の領域に到達しているからのように思います。

良い意味で、奇人・変人であれば世の中に革新をもたらす存在になれるのかもしれません。しかし、このアニメの登場人物は、決して良い意味での奇人・変人ではありません。犯罪をしかねない「奇人・変人」だと思え、それが未来を想像できない要因になっている気がします。

この作品がアニメ化されたこと、そして放送されていたという事実に、改めて、驚かされます。