中央に寄った顔がジワジワくる
全体的にキャラクター太め(笑
今どきのアニメキャラクターとは一線を画す登場人物たちで、とても斬新な印象があります。そして、顔のパーツを思いっきり中央に寄せている絵の特徴も面白いです。それだけのことで、ジワジワとボディーブローのようにくる笑いがあります。
また、登場人物に個性的な特徴をそれぞれ割り当てられているのも、現実社会にもいる「変な人」をそのまま登場人物の個性にしているように感じられます。しかも、数秒でそれぞれ登場人物を紹介する場面を差し込むことで、どんな人物なのか分かりやすく、アニメ作品そのものを受け入れやすいです。そして、そこからどのような展開をしていくのかワクワクさせてくれて期待が膨らみます。さらに、その期待を超える結末があることで、大きな笑いとなり、アニメ作品全体の魅力となって構築されているように思います。
また、ほぼ美少女キャラクターがいないことも、「カッコカワイイ宣言!」の特徴的なところではないでしょうか。アニメの中で、登場人物たちが外見の美しさ、可愛さを押していても、事実が違うことから笑えてしまいます。見た目は残念なレベルなのに、自意識過剰になっている姿が滑稽に映って笑える要素となっているように思います。
主人公カオちゃん!?
インターネットのフリー百科事典ウィキペディアによると、「カッコカワイイ宣言!」主人公という記載があります。しかし、このアニメ作品において、主人公という位置付けを明確にしていないように思います。比較的、カオちゃんが登場することは多いですが、それだけであって、個性という面では、他の強烈な登場人物を飛び抜けて超えるものではないのではないでしょうか。
むしろ、脇役が主軸とり、物語が展開していく話が多いように見受けられます。
ただ、アニメ作品の中で、カオちゃんの個性の強烈さはNo.1~No.2を争うものであることは否定できません。ゆくゆくは犯罪に手を染めてしまいそうな匂いをプンプンさせているのが、彼女の魅力といえるところでしょうか。自己中心的の考え方、腹黒い性格、年齢詐称、過剰な敵対意識など、きっと真っ当な人間にはなれないであろうと予測されます。
第3話が面白くて最高!
旦那さんの収入が多くて、それを自慢し合っている三人の奥さまの話が最高だと思います。この界隈で一番の収入のご主人をもつ奥さま、この界隈で最高の収入のご主人を持つ奥さま、この界隈でベストな収入のご主人を持つ奥さま、人妻3名による自慢対決は圧巻です。なぜか謙遜しながら、自慢している姿が滑稽です。また、何故か黄色い奥さまは、声優が男性であることも突っ込み要素ではないでしょうか。そして、この黄色い奥さまの行動が、もっとも突飛に設定されており、話の最終的なオチとなります。
髪の毛にドル札を巻き付けていたり、手から油が噴き出したり、凄い部分が旦那さんの年収から、奥さま自身の大道芸師のような凄さに変わっていくところが面白いです。また、彼女たちの登場する話の冒頭の紹介場面は、リズムネタといっても過言ではない完成度に仕上がっています。それだけで、話の掴み部分から笑えてしまうのが、卑怯にすら思えてきます。
加奈の姉ちゃん
このアニメ作品の中で唯一といえるでしょうか。少女アニメタッチで描かれており、目が大きくキラキラしている女性キャラクターです。英語が得意という設定ですが、その設定があまり活かされておらず、それ以上に彼女に降りかかる不幸の方が面白い気がします。
そして、彼氏であるヒデトの個性的なキャラクター作りにおいても、秀逸なセンスを感じさせます。セックスに誘うタイミングの良さがピカイチ、と紹介されています。しかし、突拍子がないだけでピカイチではないところが最高です。
また、加奈の姉ちゃんが変なおじさんにアキレス腱を殴り続けられる場面は、意味が理解できなくて笑ってしまいます。彼氏のヒデトがそれを止めようとする場面も、ヒデトが情けなくて面白いところなのではないでしょうか。
「フン、フン、フン、フン、フン」荒い鼻息で、加奈の姉ちゃんのアキレス腱を殴り続けるおじさん
「やめr…」それを止めようとする彼氏のヒデト
「やめません!」ヒデトの言葉に敬語、そして、喰い気味で止めない意思表示するおじさん
この状況があまりにも日常では有り得ない光景です。こういった場面や言葉を失ってしまう状況を演出することが、とても上手くしているように感じます。
カオちゃんの彼氏の一人!?
食事のテーブルで、サプライズプレゼントすることを計画する男性の話です。プレゼントに、コピー機やファックスを候補に考え、上着からそっと取り出しプレゼントすることを思い浮かべています。コピー機やファックスを上着に忍ばせていくこと自体に無理があるという笑いを意図していますが、その男性のお母さんのカミングアウトが強烈で面白いです。
・実は息子とお母さんに血のつながりがないこと
・実は息子の高校生時代の同級生とお母さんの間に肉体関係があったこと
男性のプレゼントや、サプライズ計画のことはどうでもよくて、男性のお母さんによるカミングアウトが、この話の盛り上げるポイントとしている点として、言葉を失わせるところが凄いと思います。
再放送される機会があったら、次の世代にもファンができそうなアニメ作品ではないでしょうか。
リズムの良さ、有り得ない状況演出、突拍子のない発言・行動という部分が、この「カッコカワイイ発言!」は上手く表現されています。他のギャグアニメ作品と比較しても、大きな強みとなっているように感じさせます。
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