物語構成が斬新過ぎて!!
ふりだしに戻る!?
リメイクされたアニメ作品で、キャラクターの設定変更、物語の構成変更などがある作品はあると思います。例を挙げれば、「エヴァンゲリオン」という作品は、原作アニメシリーズから、劇場版アニメ「序」「破」「Q」、そして未公開の4作目で完結するといわれる劇場版シリーズで、物語の展開が大きく変更されました。しかし、ひとつの作品の中で、急に幾度となく話が「振り出し」に戻り、そこから物語の展開が変わっていく不思議な構成をされている作品ですね。
観ていて違和感があります。構成の段階で色んな物語展開を枝分かれさせ、結末を色々と想定されたのでしょう。その全てのバリエーションを作品ひとつに全部詰め込んだというイメージが強いですね。
マルチエンディングの選択型シュミレーション、アドベンチャーゲームがあったとしたなら、その全てをひとつの作品にブチ込んだという画期的な取り組みをした作品といえるのでしょうか。色々と検索していて知りましたが、元々はサウンドノベルと呼ばれるジャンルで、同人サークルのゲームコンテンツが原作なんですね。ゲームという媒体を思い浮かべてしまう自分自身に、妙に納得してしまう事実でした。
スゴロクしていて、本当に「振り出し」に戻る感覚を味わいます。しかもキャラクター設定、性格などはほぼ変わりません。振り出しに戻ったと思ったら、物語の展開が変わっていくことに、理解が追い付かないんです。
せめて、その斬新な取り組みや工夫が、観始める前に伝わる工夫があれば良かったと思います。中盤まで全く理解できずに、物語が展開していき、謎が頭の中を駆け巡りました。
どのようなメッセージが!?
アニメ作品の多く、いや大半、ほとんどにおいては、原作者や制作側のメッセージが作品に中にあると思うのです。しかし、このアニメ作品においては、アニメ化される由来や、原点となるゲーム作品の特性なのか、メッセージを見い出すことができないものに仕上がっています。
物語の展開、キャラクターの個性・魅力を楽しむことに注力されているという部分でも珍しく、斬新なイメージをもつことができます。しかも、驚かされるのは世の中に埋もれたアニメ作品なのではなく、一定の評価をされ、多くのファンに支持された作品であるという事実でしょうか。世の中に支持されたことにより、事実として続編も次々と制作されました。
これまでの概念を大きく覆すアニメ作品といっても過言ではないと思います。実際に、この作品以降、作品に込められたメッセージというものを感じないアニメ作品がでてきたのではないでしょうか。キャラクター個性や、物語の展開といった脚本を重視するという作品が増えたような気がするのです。
そのように感じているのは、私だけなのでしょうか。
またこの作品にメッセージが隠れているのであれば、どのようなメッセージが暗示されているのか、話し合ってみたいし、教えてほしいですね。私自身が気づいていないだけ、という可能性も高いでしょう。
自分自身の受け取り方や考え方まで、改めて考えてしまう不思議な作品ですね。
意図的なギャップの演出
物語の展開は違えど、様々なギャップの演出していることが読み取れます。まずは、物語の展開が、振り出しに戻るという特性を活かし、展開のギャップを演出しています。そして、キャラクター設定や作画は「萌え」を意識した要素が強いのに対して、展開は残虐で、描写も背筋が凍るほどの恐怖があります。さらに、キャラクター個々にもそれぞれ二面性があり、強いギャップが生まれる設定がされています。他にも、登場人物が幼い子、高校生、そして年上の女性と幅広くいることもギャップを演出する工夫にように捉えられます。
意図的なギャップを演出することで、アニメ作品自体の面白さの相乗効果を狙った部分は大きいのではないでしょうか。振り返ってみたときに、作品そのもの魅力を打ち出していこうとする、制作側の思惑が見え隠れするように思います。
残虐な描写が作品自体の魅力
これも多分、制作者の狙いだと考えられます。過剰なほど残虐な場面を描くことは、反響においても、意見が分かれると思います。単純に、この作品が好きな方、嫌いな方という意見の相違や、面白い、面白くない、という両極端な意見に分かれやすいでしょう。ひょっとしたら、面白くないという方が多く、面白いという方は少数派なのかもしれません。その場合、面白いと感じる少数派の方は、少数派であることで、作品自体の魅力を強く感じる可能性が高いのだと思います。
企画当初の狙いから、残虐な描写を好む一部の支持層を狙った作品なのではないでしょうか。
大多数に受け入れられることを、敢えて過激・残虐な描写をすることで切って捨てて、一部の厚い支持層を狙った作品に思えてならないです。これって、制作側からすると思い切った戦略ですよね。一般的には幅広い層から、支持してくれるファンを獲得することが前提の気がします。また過激で残虐な描写を好む方というのは、口コミなどでこの作品を視聴する可能性は高いです。
敢えて間口を狭めている「ひぐらし」って作品は、勇気があって大胆な存在で、それ自体が奇襲戦法なのではないでしょうか。
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