詰まっている工夫に舌を巻かされる! - バトルファイターズ 餓狼伝説の感想

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バトルファイターズ 餓狼伝説

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キャラクター
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詰まっている工夫に舌を巻かされる!

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映像
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ストーリー
5.0
キャラクター
5.0
声優
5.0
音楽
5.0

目次

ゲームキャラクターが総出演!

テリー、アンディーのボガード兄弟にムエタイチャンプのジョー東、ゲームの主人公たちがアニメになると、それだけで胸が熱くなってきますね。

アニメそのものの主人公は、テリーで構成されているのは鉄板の展開といえます。しかし、テリーのファイトスタイルがゲームのスタイルと少し変わっており、拳法チックになっていたのが、少し残念な感じしましたね。

またそれだけではなく、敵キャラも全て出演しましたね。

プロレスラーのライデンや、棒使いのビリーなど、ジョー東やアンディーが闘う場面は、熱中させてくさせてくれました。

タン先生は、いつ筋肉ムキムキになるのか、少し楽しみにしていましたが、期待ハズレで少々ガッカリでした。

でもそれぞれ、微妙に闘う設定が変更されていましたね。アニメ用に変えられることで、単調なストーリーにならないように工夫されたのでしょうね。

もう少しバトルトーナメント場面を長くとってほしかったです。しかし一時間少々のアニメで、ストーリー展開させていかないと、起承転結が成立させきれなかったんでしょうね。

時間の枠など、色々な大人の事情の制約の中で頑張って制作されたのだろう、とお察し致します。

ただ脚本の中で、少しでも、ゲームのイメージを再現しようと、各キャラクターのゲーム中のセリフをアニメの中で使っているのも好印象です。

テリーが「オッケー!」って、試合で勝った時に叫んだ場面は、ゲームそのものを知らないと違和感を覚えるのではないでしょうか。

リリーの存在感

このアニメの中で、アニメオリジナルキャラクターであるリリーの存在は、物語の中で大きなウエイトを占めていますね。

当時はなかった表現でしたが、今でいうツンデレ的なキャラクターに思いました。自分自身を表現を、カゴの中で飼われた鳥とされていましたね。これは上手な比喩ですね。

またテリーと出会う場面で、薔薇の花を使っていました。薔薇のトゲで、テリーの手に傷を残す役割になっていることと、リリーのキャラクターやその後の展開を暗示させるような存在になっています。この工夫も、短い時間の中で物語や内容をまとめようとした、制作側のアイデアを創出する努力を垣間見ることができるように思います。

また顔見知りになったテリーに毒物を盛ろうとする場面では、リリーの中での良心や、テリーへの想いとのせめぎ合いがうまく描かれています。

リリーの中での、価値観では金銭が最も大きな部分を占めているものの、実は割り切れていない感情の動きが、短い時間の中でうまく表現されていると思います。

そしてリリーが死んでしまう場面では、テリーのこれまでの優しさや魅力を際立たせるもにとなっています。テリーの好感度がグッと上がることで、視聴者はアニメ作品そのものに引き込まれていきます。

またそれと同時に、ギースの悪役ぶりや非常さも際立てており、やはり、リリーの存在感は作品の中で大きいですよね。

闘う理由とその背景

ゲーム餓狼伝説では、ギースは親父の仇であり、テリーとアンディーはその為に修行を重ねて成長していきます。

その基本設定はそのままに、アニメ作品では、リリーの死を描くことで、ギースとテリーの闘いを、ゲーム以上に際立たせています。

正直、闘う理由がそれだけでは、理由付けが中途半端だと思うのです。

父親が殺される場面を、もっと酷く、残忍に描くことができれば良かったのだと思います。しかし、それでは尺が足りないように思うのです。またアニメでは表現規制もありますので、表現したいことがそのまま表現でぃないという制作側のジレンマもあるでしょうしね。

それがリリーという存在がいることで、ゲームの設定とは変更される部分はありますが、アニメ作品としての面白さに深みを加えるものになっているように思います。

その工夫は、限られた条件下でアニメ制作をされたスタッフのアイデアの素晴らしさだと思います。元々はゲームコンテンツの宣伝に制作された意図が強い作品です。しかし、意図はそうでも、アニメ制作スタッフは手を抜かずに作ってくれたことに感動です。

ここまでのクオリティーに仕上がっていることで、この作品には続編が作られています。続編が作られたことで、物語に広がりを見せたのではないでしょうか。続編については、時間の尺も延長され、さらに面白い作品に仕上がっていますしね。

元々、続編が作られることは、決まっていなかったのではないでしょうか。しかし、制作側の努力やアイデアが作り出した作品が、その後の仕事を産むかたちになったように思うのです。

そして、自分たち制作スタッフやチームの価値を高める結果にもなったでしょう。この作品については、社会人として、社会勉強をさせてもらったような気がします。

たった一時間少々のアニメ作品です。しかし、その中で多くの工夫やアイデア創出、そして努力の片鱗を魅せてくれますので、大好きな作品です。

ゲームをしたことなくても、引き込まれるアニメ作品に仕上がっていると思います。

またテリーの声優が、滅多にお目にかかれない機動戦士ガンダムのシャア・アズナブルと同じ声優さんなので、テンション上がります(笑

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