異形の者が求めた人間のぬくもり
夏目友人帳のスタッフ作成の少し短めのアニメ映画「蛍火の杜へ」
異形の者であるギンと純粋な少女、蛍の物語である。
夏目友人帳と比べると不思議な雰囲気でシリアス感も強い。
夏目友人帳の主人公、夏目は妖怪が見える人間だが妖怪にも人間にも
心を開けないでいる。(初期の段階でのこと)
一方、蛍火の杜への主人公ギンは人間だとも妖怪だとも言えない存在だが
妖怪とも人間とも仲良くしている。
最も仲良くしているのは蛍だけかもしれないが、それでも人間に対して良い印象を
抱いているようではある。
彼は人間に触れると消えてしまうため触れ合いたくても触れ合えないのだ。
最後のシーン、転びそうになった子供を人間とは知らずに触ってしまい消えてしまうギン。
消える直前、ようやく蛍に触ることができた彼は笑顔で消えていく。
人間の親に捨てられたから人間を恨むわけではなく、
きっと赤ん坊の時に親に捨てられたからこそ、彼は人間のぬくもりを求めたのだろう。
最後、ギンは子供を人間と知らずに助けたのだが、その子供が妖怪でなく人間であると分かっていたとしても
彼はその子を助けただろうと思う。
それほどに彼が人間が好きだという印象を与える作品であった。
これを観るといつも、誰かの手をにぎりたくなるのは私だけだろうか。(笑)
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