物語シリーズ第2弾 - 偽物語の感想

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アニメレビュー数 2,474件

偽物語

4.384.38
映像
4.50
ストーリー
4.50
キャラクター
4.25
声優
4.63
音楽
4.58
感想数
4
観た人
11

物語シリーズ第2弾

3.53.5
映像
3.0
ストーリー
3.5
キャラクター
3.0
声優
3.5
音楽
3.5

目次

偽物、本物について


本作はシリーズ1作目の化物語に続き、数いるヒロインの内の可憐と月火についてスポットをあてた作品になり、共通して『偽物』、『本物』が題材となっており、その正当性や価値観について描かれた作品であり、考えさせられることが多くあります。

特に可憐シナリオでは正義といった曖昧な物についての偽物、本物について語られているのでとても興味深く視聴することが出来ました。

本作では『強い』といったことは物理的な強さのことを描かれていますが実際の強さとはもっと種類が多く、一括りにできるものではないのですが本作では分かりやすさを重視しての物理的な強さを題材にしており、演出上も映える為、アニメ作品としては良かったと思います。

シナリオ上、明確な悪として詐欺師の貝木がとても個性的であり、魅力的なキャラクターであると思います、詐欺師という職業柄、嘘といった所謂偽物であるが質の高い偽物は本物より優れることもあるといった例であります。

有名な話では1ドル札を描いた作品が評価されましたがこれは1ドル札については偽物ですが絵画としては本物であるという分かりやすい例でもあるでしょう。

そういった面から本物=正しい、偽物=正しくないといったことではなく、どちらも正しくもあり、正しくもないといった結論に至ったのでは無いかと思います。

変わって月火シナリオでは分かりやすく本物と偽物について描かれているので観やすかったと思います。こちらは現代社会でもよく見られる家族について述べられているので共感が持てた方も多いのではないでしょうか。

家族とは血のつながりではなく、心のつながりによって形成されるものであると物語としては完成度が高く、好感がもてました。



原作ありきの作品


本作も最近のアニメの例にもれず、原作小説からのアニメ化作品になり、要所を映像化された作品になる為、作品を100%理解するには原作小説を読まないと難しいのではないでしょうか、前シリーズでは主に怪異といった都市伝説の様な題材では説明や解説といったことが必要になりますが本作以降のシリーズはそういった解説じみた部分の必要性が薄れ、映像作品としては観やすかったのではないかと思います。

個人的にはイラストが独特である為、原作小説へは手が伸びにくい作品であると思うのですが内容は濃く、好みがハッキリと分かれると思いますが読んだことがない方はエピソードごとに巻が分かれているので一冊手にとってみることをお勧めします。


特徴的な製作会社シャフト


シャフト作品といえば独特でアニメ1話視聴すればシャフト作品であると一目で分かるほどの特徴的な世界観を持っています。背景をはじめ、アニメの構成自体が他会社の作品とは大きくことなる為、印象に残りやすいのではないでしょうか。特に合間に入る、原稿用紙にびっしりと書いた様な文章が書かれているアイキャッチには一時停止をして読みたくなるような不思議な魅力もあり、TVでの視聴だけではなく、パッケージにて何度も見返したくなる作品であります。


パッケージ版にのみ収録されている副音声ことキャラクターコメンタリーをご存知ない方が多いのではないかと思います。私自身、最初はコメンタリーと聞いたら監督やスタッフの作品についての解説だと思っていたのですが、実はキャラクター同士の雑談でこれが実に面白いです。

コメンタリーとありますが解説はほとんどなく基本的にはガールズトークしているだけで本編の解説というよりかはキャラクターについての理解を深める為のおまけといったものですが個人的には本編より好きでこのキャラクターコメンタリーの為にパッケージを購入しました。

こういったおまけ要素が面白いとアニメもより面白く視聴することが出来、他の作品にもこういった試みが広がればアニメ業界もより盛り上がり、良い作品が製作出来る環境を整えることが出来るようにぬるのではないかと思います。


メディアミックスについて


シャフト作品では恒例のClarisがEDを担当しており、印象深くあります、前シリーズからOPはタイトリングされたヒロインのキャラクターソングとなっており、今シリーズでもキャラクターのイメージに合わせた映像と音楽で良い仕上がりとなったと思います。特に月火シナリオなプラチナディスコは前シリーズの恋愛サーキュレーションとならんで大好評だったと聞いています。


物語シリーズとして様々なメディアミックス化がされており、特に印象深かったのはパチンコ、パチスロでした、パチンコ、パチスロへのメディアミックス化された作品は多く、本作のパチスロは第2弾が製作される程、人気があったようですが本作のファンとしてはあまり良い印象はありませんでした。

アニメ独特の世界観や物語といった最大の魅力である物語シリーズらしさが薄れてしまっているのが少し残念でした。パチンコ、パチスロといったコンテンツ上仕方がないとはいえ作品の魅力が削られてしまうのはファンとしては少し遺憾です。


シリーズ完結までのアニメ製作が決まっているので今後の展開にも期待したいと思います。


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他のレビュアーの感想・評価

物語シリーズ大好き

物語シリーズ第二弾。アニメのシナリオ、シャフトの独自の背景や世界観、内容の濃さ全て満足。喜び、悲しみ、喪失感、ワクワク、ドキドキ、感動などのありとあらゆる感情を味わえる。背景はいつも斬新で、高く積み上がった机など普段の日常でもなかなか目にしないものがあるが、全く違和感なく見れるところがすごい。独自のセリフの言い回しで、言葉使いや言葉遊びみたいなものも、このシリーズ作品の醍醐味であり、楽しみにしているファンも多いのではと思う。全作品から今作品、その他の作品、今現在は映画。それぞれでアニメの中の時間が進んだり戻ったり、前後したりしているので、良い意味では何度でも楽しめるし、悪い意味では予習復習や記憶力が必要である。このような楽しみ方ができる作品には今まで出会ったことがない。単に内容が面白いから。というだけでは終わらない。その後にいろんな楽しみが待っている。今回の偽物語も他のアニメと違い少し...この感想を読む

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  • 551文字

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