鬼才が荒ぶる物語 - 小生物語の感想

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小説レビュー数 3,368件

小生物語

3.753.75
文章力
4.25
ストーリー
3.00
キャラクター
3.00
設定
3.00
演出
3.50
感想数
2
読んだ人
3

鬼才が荒ぶる物語

2.52.5
文章力
3.5
ストーリー
2.0
キャラクター
1.0
設定
3.0
演出
4.0

小生物語はざっくりというとブログまとめ本なのだが、ただのブログではなく、乙一の作り出した、どこからどこが本当で嘘なのかわからない、謎めいたブログまとめの一冊。

印象が強いのが冒頭に書かれた、「飴が枕の裏にびっしりあった」なんていう謎めいた話や「表面張力」という言葉を多用した漫画のパロディーの話なのはよく覚えている。

乙一はもともと自己紹介の自由に記載できるスペースや、あとがきでものすごくくだらなくて笑ってしまうような文章も書く事で有名だった。本文ではそれが嫌というほど発揮されている。

私は乙一ファンなので、本文の「梨が好き」というワードを嬉しく思った。憧れの乙一先生は梨が好物なのか!と。でもそれすら嘘なのか本当なのか…

この本にあらすじや登場人物はそれこそ無いに等しい、小説というよりエッセイに近い本であるが、読みやすさは本の暑さに反比例している。このブログを書くとき乙一自身は嬉々として書いていたに違いない。そうでなければこんなに読みやすく、たくさん続くわけがないからだ。

作者には妻子がいるが、大きくなった子供に読まれたら少し赤面してしまうのでは?と思うほどの荒ぶりっぷりである。

笑って笑い転げたいと思わせるようなそんな一冊だった。

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他のレビュアーの感想・評価

日常4割、虚実6割 作家乙一の日常日記

作者も作中で言っている通り、この作品を読む事で影響を受け自分の人生が変わる事も無い。乙一の日常を知る事によりほっこり出来る程度である。しかしながら彼の物事の捉え方や想像力はとても豊かで読んでいて楽しい。しっかり読み返してみると本当に平凡としか言い様のない日常生活の色を自由に変えられる乙一の実力は素晴らしい。乙一の作品を初めて手に取ったのは彼のデビュー作品の「夏と花火とわたしの死体」と「優子」だった。あんまり小説を読まなかった若かりし私は乙一の得意とする叙述トリックを読み、凄い!と魅了されていったのである。別の作品「zoo」でも彼の得意のパターンで書かれた作品が幾つかあったが、徐々に見えてくる話の真相に、読み終わると感動のあまり大きくため息をついたものだ。乙一の評価についてネットで調べていると「ホラーの俊英」「せつなさの達人」「黒乙一 白乙一」等と呼ばれ。残虐な乙一は非常に才能豊かな若い...この感想を読む

5.05.0
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  • 1160文字
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