君へ。つたえたい気持ち三十七話のあらすじ・作品解説
『君へ。つたえたい気持ち三十七話』は、「ダ・ヴィンチ」に連載されていた「日本テレコムマンスリーエッセイ」をまとめた本である。「コミュニケーション」をテーマに、石田衣良、五木寛之、北方謙三、重松清、村山由佳ら、人気作家37人の作品集。おもに電話をモチーフにしたひとり5ページほどの短い作品だが、心温まる話や胸を打つ話などが鮮やかに綴られている。 そのうちのひとつ、高橋源一郎の「白紙」は晩年の母の話である。子どもたちとの同居を拒み一人暮らしを続ける母に、FAXをプレゼントするのだが、母はなかなかFAXを使わない。ある日、白紙のFAXが流れてくる。いたずらだと思ったそのFAXは実は母からのもので、間違えて裏返しに送ってたものだと母の死後知ることになる。母の送ろうとしたメッセージは「ありがとう」だった。 一流の作家たちがそれぞれ短い文章に思いを込め、話の最後はエピソードにまつわる写真と直筆の言葉が書かれ、楽しめる一冊である。
君へ。つたえたい気持ち三十七話の評価
君へ。つたえたい気持ち三十七話の感想
すきま時間に読むには良い
この本は、「ダ・ヴィンチ」200年7月号~2003年11月号に掲載した、「日本テレコムマンスリーエッセイ」を一冊にまとめたものです。内容は、「コミュニケーション」をテーマに、37人の人気作家が、5ページ程度の短いエッセイやショートストーリーを1編ずつ書いたものです。最初は、エッセイ集かな?と思って読んでいたけれど、小説もあって、「あれれ?」と…少し混乱しましたが、好きな作家さんが何人も書いていたので、読むのが楽しかったです。しかし…題名が、なぜ、「君に」なのかが良く分かりませんでした。合ってないと思います。心に残ったのは、鈴木光司と川上弘美です。ジーンときました…。短い話と、それぞれの作家の最後のページに、写真と、直筆の一言と、サインがあるのですが、その一言が、それぞれとても個性的な文字で、それを見るのも面白かったです。