3兄弟、心の旅とインド - ダージリン急行の感想

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映画レビュー数 5,784件

3兄弟、心の旅とインド

4.04.0
映像
5.0
脚本
4.0
キャスト
4.0
音楽
4.5
演出
4.0

ダージリン急行…車内は思ったより綺麗で予想外に厳格なスタッフ長(こう呼ぶしかないけれど、お客さんにサービスするスタッフのリーダー的存在) 。

そこへ西洋人の男3人がバラバラに飛び乗ってくるところから物語は始まります。実はその前に登場する、同じく急行に乗ろうと走るビル・マーレイが主人公かと思いきやすぐにそうでないと知らされます。

いちいち仕切ろうとする面倒くさい長男フランシス、もの静かだが自己主張はする弟たちが、父親の死から立ち直る為に旅をし、幼い頃に出て行ってインドの修道院にいる母親に会いに行くというシンプルなストーリーです。

3兄弟を見ていて、大人になってそれぞれの人生を生きる兄弟ってこんなものだよなと思いました。たまたまそう生まれてきただけで、別の家庭に生まれたとしてもたぶん友達にはなれないだろうし、仲良くてどこか皆似ている理想の兄弟でもない、この3人もお互い牽制しあいながら旅を続けます。

それと対照的なのがふとした事から関わることになるインド人家族。どこまでが家族で、走り回る子供たちがどこまで兄弟なのか分からないなか、1人の少年の死は号泣して精神のバランスを崩すような母親が出てくるでもなく淡々と弔われ火葬されます。

それを黙って見つめる兄弟であろう少年の冷静さが、ある意味達観した印象を受けました。

人は必ずしも年を重ねる毎に色々な経験をしながら安らかな境地に成熟する訳ではないのでしょう。

鮮やかな色彩の映像美とポップな音楽がコミカルな3兄弟の旅を紡いでいる、そんな作品です。
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他のレビュアーの感想・評価

インドを旅する心

インドという国の魔法この監督は、多分とても旅行者として外国人として、インドを愛している。私もインドを何度か旅行した事があるが、この映画の主人公の三兄弟には、とてもシンパシーを感じた。メイキングでこの映画のセット、列車の車両を手作りしている裏方が紹介されていたが、本当に手仕事が細やかで監督のインドの伝統工芸への愛が感じられる。この映画は、インド好き同士なら「そうだよね!そこがいいんだよね!」と手を取って喜びあえる、そんな映画だ。洋服を身にまとい、物質主義から始まって…最初は兄弟は全員洋服を身にまとっている。母親に会うという目的だけで、来たくもないインドにやってきて、高価なiPodドックやヴィトンの靴、かばんを大事に持ってやってくる。そう、最初インドに到着したあたりでは、まだカメラが大事、靴やかばんは高いお金を出して揃えた自慢の品、いつでも思い通りの音楽を聴いて旅の気分を盛り上げたい、それでお...この感想を読む

5.05.0
  • クララクララ
  • 100view
  • 1776文字
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