夢みることを諦めないで - 耳をすませばの感想

理解が深まる映画レビューサイト

映画レビュー数 5,784件

耳をすませば

4.504.50
映像
4.50
脚本
4.10
キャスト
4.40
音楽
4.60
演出
3.50
感想数
5
観た人
8

夢みることを諦めないで

5.05.0
映像
5.0
脚本
4.0
キャスト
4.5
音楽
5.0
演出
-

お互いに気になる存在でありながら,しずくは小説家,せいじはバイオリン職人という,それぞれの夢を抱き,刺激し合い,ティーンらしく精一杯の力で夢を実現していこうとする姿がなんとも清々しい作品。中でも視聴者を惹きつけてやまない魅力は,新しい世界へ足を踏み入れる描き方ではないだろうか。作品冒頭では,コンビニ,団地,ご近所さんとの擦れ違い,学校,保健室でのお弁当タイム・・・としずくの日々の生活が私たちと大して変わらないかがふんだんに描かれている。そんなしずくがある日いつもの電車に乗っていると,猫が電車に乗っている。猫についていくと,今まで足を踏み入れたことのない住宅街。おしゃれなアンティーク店。煌びやかで神秘的な雑貨たち。そして優しいおじいさんとの出会い。ひとつひとつが未体験で,驚きの連続で,まさにファンタジー。私たちが潜在的に求めている,ありふれた日常からの脱却願望を刺激してやまない。この非日常空間への誘いは,恐らく本作品前半部分最大の魅力でもあり,宮崎作品の秀逸さを物語っている。これは日常生活から一歩勇気を出して足を踏み入れれば、非日常の体験を得られるのかもしれない,と希望を抱かせてくれるだけの力がある。夢をみることをやめないで欲しいというメッセージを受け取った視聴者には,もう新しい世界への扉が開いているのかもしれない。

あなたも感想を書いてみませんか?
レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。
会員登録して感想を書く(無料)

他のレビュアーの感想・評価

私の過去と娘の未来

反抗期は誰にも訪れるこれぞ思春期の心境を上手く表現した作品だ。細かい描写に風を肌で感じるような印象を受けた。主人公の少女が感じているごく普通の感情が、私が彼女と同じ年に感じたものと良く似ている。そんな感情はみんなが抱くものなのだろうか。誰かに恋をしたり、側にいるだけで心臓がバクバクして彼に鼓動が聞こえてしまうのではないだろうかと更に焦ったものだ。今日は一言だけど、彼と喋った!と嬉しくて仕方がなかった頃のあの淡い気持ちが記憶の奥底から蘇ってきた。ここまで記憶が蘇ってくるのはこの作品の様々なシーンから感じられる懐かしい風景や空気の匂い、友達の笑い声、その全てが蘇ってきたのだ。私は反抗期というものを経験したことがない。一般的に誰も通るらしい道だが、私にはそれがなかった。私の母もそう言っていた。珍しいのかもしれない。思春期の時期になっても反抗期らしきものはなかった。なぜだろう。自分でも良く分か...この感想を読む

4.04.0
  • りかりか
  • 132view
  • 2120文字
PICKUP

もがきながらも成長する少女の姿に共感

1995年のスタジオジブリのアニメ映画柊あおいのマンガが原作本が大好きな主人公、月島雫と彼女が図書館で借りた本をすべて読んでいた少年、天沢聖司との恋と成長の物語。スタジオジブリらしく、登場人物が実に生き生きとしている。映像も美しく、テンポもいい。素晴らしい完成度を誇っているといえる作品だ。ジブリ作品の中でも特に、登場人物の心情を繊細、かつ丁寧に描いた作品といえる。見どころは、主人公の悩み、もがきながらも自分の道を探っていこうとする姿だ。家族と衝突したり、周りに助けられたりしながら、前に進もうと努力する月島雫の姿は、同世代の共感を呼ぶだろう。楽しいのは、天沢聖司のバイオリンと聖司のおじいさんたちの楽器演奏をバックに、月島雫が、カントリーロードを歌うシーン。心が躍り、何とも言えない心地よさがある。この映画の中で、アクセントとなっているシーンといえる。恋愛物語としても十二分に楽しめる。最後の...この感想を読む

5.05.0
  • ayaaya
  • 106view
  • 520文字

感情移入してしまう!

この作品はヒロインの「しずく」の思春期の女の子の感情がとても素敵に描かれています。「しずく」はあかるく元気な女の子。友達思いで、やさしくて、末っ子らしい天真爛漫なところもあり、それがまた魅力として描かれています。本を読むの好きで、少し妄想癖もあり(笑)そんな「しずく」が顔も知らない一人の男の子を意識しはじめ、恋に落ちていくのですが、現実ではありえない世界観とストーリーが、また面白いですね。あこがれの男の子が、最初はチャラそうな感じで「しずく」と出会いうのですが、本当は誠実で、将来の夢をしっかりと持っているあたりは、観ている側もどこかであこがれてします。そんな男のです。ストーリー中盤で男の子がバイオリンを弾いていると、その男の子のおじいちゃんとその仲間たちが、演奏に加わり、プチセッションの用になる場面は、何度も巻き戻して繰り返し見ました。イケメンでバイオリンが弾けるなんてかっこよすぎます...この感想を読む

3.53.5
  • Qou0710Qou0710
  • 84view
  • 533文字

感想をもっと見る(5件)

関連するタグ

耳をすませばを観た人はこんな映画も観ています

耳をすませばが好きな人におすすめの映画

ページの先頭へ