あと、どれくらい叫べばよいのか - ブラック★ロックシューターの感想

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ブラック★ロックシューター

4.504.50
映像
3.50
ストーリー
3.50
キャラクター
5.00
声優
3.50
音楽
5.00
感想数
1
観た人
1

あと、どれくらい叫べばよいのか

4.54.5
映像
3.5
ストーリー
3.5
キャラクター
5.0
声優
3.5
音楽
5.0

supercellの楽曲「ブラック★ロックシューター」とイラストレーター・hukeの幻想的で独特な世界観をアニメ化した今作。過去にはOVAも出されている。

中学にあがったばかりで純粋な少女・マトと友人たちが織り成す表世界と、常に何かと戦い続けている少女・ブラック★ロックシューターが暮らす裏世界。二つの世界を並行して描きながら、大人になるとは何か。思春期というものが何かということを鮮烈に描いている。

全体的に感じたことは、主人公たちの「心」の描写が独特だということだ。

※ネタバレ注意。表世界と裏世界の少女たちは一心同体、つまり裏世界で戦っているブラック★ロックシューターはマトの心を象徴した存在なのだ。マトは悩みなど持たず、傷つくことに「憧れ」を抱いているような描写があったが、それは悩みを無意識に遠ざけているのと同じこと。感情に左右される裏世界の少女たちにとって、持ち主の感情に従わなければならない。そのために、ブラック★ロックシューターは迫りくる敵を淡々と倒していたのだ。悩みをマトへ持たせないために。

ここで、各登場人物のまとめをしてみよう

黒衣マト…ブラック★ロックシューター。彼女の心の世界は青。まだ何も知らず純粋で美しい色を保っているが、背景描写を見る限り鉄のようなものが生えていることから、「危険」に対して無意識に防衛体制をとっているようにも見える。

小鳥遊ヨミ…デッドマスター。心の世界は緑。マトとは違い、濁った空気を放っている。幼なじみのカガリへの恐怖と、依存やユウに対する嫉妬で心が濁ってしまったのではないだろうか。

神足ユウ…ストレングス。心の世界は黒。本来のユウが劣悪な環境下で育ったために、中学生とは思えないほどの闇を持ってしまたのだろう。

出灰カガリ…チャリオット。心の世界はオレンジ。子供のような無邪気さと残酷さを併せ持っておりながら、中学生という巣立ちの時期を迎えて苛立ちを募らせている。人形やドールハウスで埋め尽くされた心は、その名残。

納野サヤ…ブラックゴールドソー。心の世界は赤。煉獄の炎を噴き上げるのは、かつてユウを守れなかった後悔と怒りなのではないだろうか。歪んだ正義心を持ってカウンセリングを続けるのは、そのせいか。


心というのは誰しもが闇を抱え、悩みを抱えている。

「痛み」があるというのは、子供から大人になるまでに必要な過程であるというメッセージが込められているのではないかと、

私はこの作品を見て思った。

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