ロード・オブ・ザ・リングに続く話がここに - ホビット 思いがけない冒険の感想

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ロード・オブ・ザ・リングに続く話がここに

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

ホビットに登場するいろいろな種族

この映画ではタイトルが「ホビット」というだけで、ホビット族で主にでているのはビルボ・バギンズだけです。身長は約1メートルと人間の約半分ぐらいの大きさの種族です。争いや冒険などは本来苦手で、ホビット庄の中で穏やかに暮らす人たちが多いようです。人をもてなすのは大好きで、どの家も貯蔵庫にはたくさんの食べ物を蓄えているということです。そのためドワーフたちが突然、たくさん家に押しかけても食べるものがあったんですね。しかし、ビルボはホビットの中でも好奇心が強く変わり者だったようです。

ホビット以外にもいろいろな種族が出てきます。主に出てくるのがドワーフです。はなれ山をドラゴンに奪われ13人のドワーフたちが故郷を取り戻すべく冒険に出ます。鉱石の採掘と加工にすぐれた技術を持った種族です。石頭でガサツなその習性は最初ビルボには理解しがたいものでしたが、愉快で頼もしく熱い情をもったところに魅力を感じます。その他にはドワーフたちをサポートする側として、エルフ・人間・魔法使い。敵となる側としてオーク・ゴブリンなどがいます。エルフと人間はドワーフたちの味方となりますが、特にエルフはドワーフたちがドラゴンによって国を追われた時、助けを求めたにも関わらず答えてくれなかったことをトーリンは恨みに思っており、信用はしていないようです。

ロード・オブ・ザ・リングの序章

ゴラムが「いとしい人」と呼んでいた指輪ですが、この指輪は「ロード・オブ・ザ・リング」でフロドが「滅びの山」で破壊する使命を負うことになる指輪です。指輪には手にしたものに所有欲をもたせる力があるらしく、もともと所有欲の少ないホビットのビルボとフロドも長く持っている間に、手放しがたい思いを抱かせてしまうほどです。ゴラムは指輪をビルボが盗んだと言っていますが、正確には同じ場所から全く動く気配のないゴラムに、業を煮やした指輪がみずから逃げ出したようです。それを暗示するかのように指輪はゴラムのもとをはなれビルボのもとに行き、逃げるときもそれを助けるかのように自らビルボの指にはまっていきます。

指輪は元の持ち主であった「サウロン」のところに戻ろうとしているようです。指輪をはめた時フロドの場合は、目の前のものには姿が見えなくなりますが「サウロンの目」に見つかってしまいます。しかしビルボが指輪をはめた時は姿が見えなくなるだけで、「サウロンの目」は現れません。これはまだこの時は「サウロン」が復活していなかったためだと思われます。

ビルボとトーリン

トーリンはずっとビルボのことを足手まといだと思っていました。勇気がなく、すぐに故郷であるホビット庄に帰りたがると・・・。そのため岩の巨人に襲われた時も、崖に落ちそうになったビルボに対し、荷が重かったのだとか来るべきではなかったのだと言い放ちます。ゴブリンのすみかから逃げだし、ビルボの姿が見えないと「ほらみたことか」と、逃げ出すチャンスだと思って逃げ出したのだと言っていました。しかし、オークに追われトーリンの宿敵である「穢れの王 アゾグ」と戦い、もう少しで殺されそうになった時ビルボが助けに入ります。トーリンはビルボに対し「死ぬところだったのだぞ」と怒りますが、それでも命を助けてくれたことに対し、自分が間違っていたと謝罪をし改めて仲間として受け入れました。自分の間違いを間違いとしてただし、それによって傷つけた相手に対して謝罪するなんて、さすがに王となるべき人格者のなせるわざなのだろうとおもいました。

ビルボはもどってきたのは自分には帰るべき故郷があるが、ドワーフたちにはドラゴンに奪われてしまい故郷がなくなってしまった。それがどんなにさみしく悔しいことか、ビルボも故郷を遠く離れ実感したからこそ、ドワーフたちに故郷を取り戻す手助けが自分にできるのであればと思ったのでしょう。それと絶対的な信頼をおいてくれているガンダルフの存在も、大きかったのではないでしょうか。トーリンがビルボが役不足ではないかと言った時も、「自分に誰が適任か選んでほしいと言って、自分が適任だと思って選んだのがビルボだから間違いない」と言い切ってもらったのも強い力になったのではないかと思います。

「はなれ山の歌」

ビルボの家に集まった時にドワーフたちが歌っていた歌です。低音で歌われドワーフたちの故郷に対する思いが詰まった歌です。原作では10連まであるようですが、この映画では第5連と第7連が歌われているようです。映画のエンディングでも流れます。歌は英語で歌われているので、字幕にすると歌の歌詞をみることができます。

はじめ冒険に出るのを拒んでいましたが、ドワーフたちが歌った「はなれ山の歌」を聞いて心が動かされて、冒険に加わろうとおもったのではないでしょうか。「ホビット」ではドワーフたちが「はなれ山」を奪還する物語が柱となっています。その中でこの故郷を歌った歌は大きな役割を持つのではないかと思います。

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他のレビュアーの感想・評価

愛すべき、可愛いおっさん。

ホビット。タイトルはホビットだが、物語のメインとなるのはドワーフたちだ。原作未読、予備知識無しでこの作品を鑑賞した私にとって、これはなかなか意外だった。ロードオブザリング(以下LOTR)の中では、ドワーフの全盛期は終わってしまったように思われたからだ(ギムリには申し訳ないけれど)。栄枯盛衰、盛者必衰。日本でも平家が滅びて鎌倉幕府が開かれたように、歴史は必ず滅びと再生を繰り返す。そしてそれは中つ国の歴史においても例外では無いのだろう。原作者であるトールキンが、いかに生々しく、リアルな世界を構築していたかが伺える。さて、この物語の主人公はビルボである。ビルボ・バギンズ。これはLOTRを鑑賞した人にとっては、懐かしく、けれど妙に不吉なものを感じさせる名であろう。「あいつか!」と思ったのは多分私だけでは無い筈だ。LOTRにおいて、心優しきフロドが生命を擦り減らす過酷な旅に出ることになったのは、そもそもビルボが...この感想を読む

4.54.5
  • もんじろうもんじろう
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  • 1259文字
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最高の映画

2012年に公開されました、久しぶりの、ロードオブザリングの作品。待ち遠しくて、仕方がありませんでした。映画館で、公開上映がはじまるとともに、観にいきました。この映画では、ホビット族の一員が主人公になります。初回公開の、ロードオブザリングでは、わき役だったために、今回のストーリーでは、ホビットと、エルフ族が最前線で、活躍しております。ストーリーとしては、単純で、わかりやすい内容でした。子供でも楽しめるようなストーリーです。ゴラムがでてくるシーンでは、ロードオブザリングからのファンにとっては、ゴラムの出番は、待ち遠しかった場面でした。いままでの作品同様、変わらないゴラムでした。この映画では、メインではないものの、ゴラムとビルボが戦うシーンが、なかなか、みごたえがあり、観るものをひきつけてくれます。トーリンは、良い人ですが、アーケン石を取り戻したいと願い、次第に、アーケン石にとりつかれ、人柄が...この感想を読む

5.05.0
  • りんごりんご
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