錬金術師とアメストリス国家についての考察
兄・エドワードVS弟・アルフォンス
シンから来たリンの付き人であるフーとランファンと戦った後、錬成陣なしで錬成できるようになったアルを見てエドが次回から鎧の錬金術師が始まります、と言っていた描写があったが、はたして兄のエドと弟のアルはいったいどっちが上なのだろうか。
この時は身長、ケンカ、錬成テク、兄の威厳と比べられていて、最終的になぜかネコの上乗せで兄の威厳が落ちてしまい、弟のアルフォンスが勝利していたがいささか納得がいかない。ひとつひとつ検証していきたいと思う。
まず身長は言うまでもなくアルの圧勝である。鎧姿のときはもちろん、その前からアルのほうが高かったのであるが上である。続いてケンカだが、以前エドはケンカでは一度もアルに勝ったことがないと言っていた。しかし病院の屋上では初めてアルに勝利していた。このことから現在はほとんど差がないといっていいと思う。よって引き分けとする。
そして錬成テクだが双方とも手合せ錬成でき、これもドローのように思えるが、ここで最後の兄の威厳も関わってくる。当たり前だがこれは兄のエドワードしか持っていないものである。少しずるいかもしれないが何を持って兄の威厳とするかが重要である。ここが錬成テクにも少し関わってくる部分だが、これは錬金術に関する知識の技量であると考える。マルコーの暗号を解いたり、エドとアルの混線の仮説を立てるなどアルよりもエドのほうが数段上のレベルにいるように思える。これにより兄の威厳があるのではないかと思う。そこで錬成テクと兄の威厳を合わせて錬金技量として、エドのほうが上とみる。
ネコは2人と直接的な関わりではないので除外させてもらうが、以上のことで比べると、身長はアル、ケンカはドロー、錬成技量はエドである。数の上では同じだが身長と錬成技量の重要性を比べると圧倒的に後者のほうが大きな割合を占めていると考え、兄・エドワードのほうが上だと結論付ける。
エドワードVSロイ・マスタング
第3巻に掲載されている外伝でエドと大佐が戦った。この時は大佐が勝ったのだが、錬金術師の勝敗はここではないように思う。もちろん戦いを基本とする軍人としては大佐のほう上であることは間違いないだろうが、しかし錬金術師としてはまた別の話だと思う。
「錬金術師よ 大衆のためにあれ」とあるように出がもたらす成果を一般の人々に分け隔てなく与えることがモットーである。つまりどちらの錬金術が大衆にとって理であるかによって錬金術師としての勝敗が決まるように思える。
大佐の焔はたしかに、人間兵器の火力としてはかなり強力だが、一般人からしたら何の意味もない火力である。料理や保温など人間の暮らしに火は欠かせないが、あそこまで大きいものはあまり必要なく、むしろ脅威になってしまう。
一方でエドの錬金術はかなり大衆に役立つといっていい。暮らしに必要な数々のものを作成、修理できるため一般人にとってもかなり恩恵を授かるに違いない。
こう比べてみると一目瞭然である。大佐の焔ももちろん恩恵をもたらしてくれるだろうがそれでも大衆のためにあるはずの錬金術師においてはエドのほうが上と判断する。だが禁忌を犯してしまっているエドはそれ以前に錬金術師失格でもあるのかもしれない。
アメストリスでの錬丹術ついて
ホムンクルスであるお父様が使い、エドやアルを苦しめた錬金術封じだが、錬丹術には効果がなかった。そこでエドとアルはその対抗のためにその錬丹術を研究しようとするわけだが、この錬丹術に関する記述がアメストリスにはほとんどなかった。スカーによると何者かによってこの錬丹術の情報が排除されているとあった。この排除したのはお父様をはじめとしたホムンクルスたちでまず間違いないが、問題はなぜ排除したかということだ。お父様は錬丹術に錬金術封じが効かないことを知らなかったように思える。地下で戦っていた時に、スカーに対しなぜ錬金術が使えるといっていたのでそのことはまず間違いない。
つまり錬金術封じが効かないことが排除の理由ではないということだ。
ではなぜ排除したのか。予想では排除した理由はおそらくホーエンハイムが関わっているのではないだろうか。
シン国に錬金術を伝えた西の賢者は、フー爺さんいわく、クセルクセスの出身だとされ、メイいわく、金髪金瞳で不老不死であったとされる。ホーエンハイムは金髪金瞳、賢者の石の影響で不老不死であり、シンの商人に助けられた描写があったことから、シンに錬金術を伝えたのは十中八九ホーエンハイムであることは間違いない。なので、シンの錬丹術はホーエンハイムが作ったといっても過言ではない。
つまりお父様たちが排除したかったのは、錬丹術そのものではなく、ホーエンハイムの情報ではないかと思う。錬丹術の情報を残しておけばそれを伝えた西の賢者のホーエンハイムの情報もわかってしまう可能性がある。そこからホーエンハイムの存在がお父様の存在につながってしまう可能性があると考えたホムンクルスたちが錬丹術の情報をアメストリスから削除したのではないかと思う。
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