自分が本当に欲しい言葉は本当に欲しい相手からは絶対貰えないように出来ている
粟屋麦
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有り得ないようで有り得る設定教師と生徒。非現実のような設定だけど、幼馴染だったり、家庭教師の先生だったり、身近に有り得るリアルな設定がより感情移入しやすくしていると思います。手の届かない恋愛をしてしまう、出来てしまうのが高校生らしくもあり、ここにもリアリティーが。憧れと恋の間で揺れている描写も見事。その上、同性を好きになってしまう、という現代だからこそリアリティを生み出す設定にまた惹かれてしまいます。クズ達のクズたる所以。リアルなのは設定だけじゃなく感情の動きも。漫画に描かれる恋愛って純粋で一途で甘酸っぱくなるようなものばかり。だけど現実ってそう甘くないですよね。私自身もそうでした。苦い思いのほうが遥かに多い。その苦味を満遍なく細かく描写されている所がとても魅力的です。茜のアバズレ感、花火のクズ感が現実的すぎて。特に自分から誘っておきながら相手から誘われたようなあの振る舞いは世の女性誰...この感想を読む
「普通じゃない関係」に潜む、重要なことメインキャラクターである粟屋麦と安楽岡花火の「普通じゃない関係」がこの物語の主軸になっているのは、言うまでもない。そこが『クズの本懐』の、他の漫画と違う大きな点であったし、1巻を読む手が止まらなくなる要因でもある。しかし、この「普通じゃない関係」に、ここまで胸が締め付けられるとは、1巻を読み進めている途中の読者に想像ができただろうか。できなかったはずだ。少なくとも私は、できなかった。物語の前半を読み進めているときに私が考えていたことを正直に記すと、「まあなんやかんやで麦と花子がくっついて終わるんだろ」という陳腐な想像だった。もちろん、だからといってつまらないと思っていたわけではない。恋愛の絡む話の面白さ、深さはその過程にあると思っているので、結果そうなるとしてもその過程に興味があった。しかし、実際最後まで読み切ったとき、その安易な想像を悔やむ羽目に...この感想を読む
自称「クズ」たちの切ない恋愛模様女子高生の花火は幼い頃から知り合いだった担任の鐘井を「おにいちゃん」と呼び、恋をしている。一方、花火の「彼氏」の麦は、中学時代の家庭教師だった音楽教師の皆川に恋をしている。花火も麦も、互いに自分自身の恋が実らないことを知り、付き合っている。この恋愛が不毛であることを知りながら、持て余す欲情をぶつけるためだけに付き合いを続けているーー「かけがえのある」恋人関係。花火は麦とのこの恋人関係を、「クズ」と呼んでいるのだ。花火と麦だけでない、花火の親友であり、花火を好きな「えっちゃん」こと絵鳩早苗こと、麦のことを好きな「モカ」こと鴎端のり子も時折主人公として話の主役となる。そして真性のクズ(と、疑う必要もないだろう)ビッチ皆川も、「奪う」側である自分の心情の語り部となる。叶わない恋と、歪んだ愛情、愛と欲の狭間をたゆたう登場人物たちの物語、それが『クズの本懐』なので...この感想を読む
よみがな:やすらおかはなび
粟屋麦
好きな人に振り向いて貰えず、好きではない人に欲しい言葉を言わせて優越感を得ている自分に気づいたシーン
皆川茜
学校で花火の好きでもない男に好かれて楽しいですかに対して茜が放った言葉
安良岡花火
告白を断ったがしつこく理由を迫られたときに主人公が放った言葉。