原作ファンも納得の実写版 - るろうに剣心の感想

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るろうに剣心

4.004.00
映像
4.15
脚本
3.70
キャスト
4.15
音楽
3.95
演出
4.05
感想数
10
観た人
19

原作ファンも納得の実写版

5.05.0
映像
5.0
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

目次

豪華なキャスト陣

緋村剣心に佐藤健、神谷薫に武井咲と今をときめく豪華俳優陣で、敵役には武田観柳を香川照之、鵜堂刃衛を吉川晃司とベテランの俳優がそろっています。原作の漫画でも熱狂的なファンが多いこの「るろうに剣心」ですが、ファンの中では実写化をされると聞いたときにどんなものになるのだろうと、期待と不安が大きかったようです。キャストが発表されても実際どういった話になるのか、どこまで原作と同じ内容になるのかという不安がありました。特に飛天御剣流がどこまで実現できるのかという不安は強かったと思います。剣心が使う飛天御剣流といえば、圧倒的なスピード感とジャンプ力が魅力です、ワイヤーアクションになるだろうとの予想はありましたが、思っていたよりすごく自然なアクションでワイヤー感をあまり感じさせないものになっていました。

佐藤健の剣心もそうですが、吉川晃司の鵜堂刃衛と青木崇高の相楽左之助も、原作ファンには納得のキャスティングだったのではないでしょうか?刃衛の狂気に満ちた表情や、殺人を心から楽しんでいるところなど刃衛そのものだったと思います。左之助の喧嘩が楽しくて仕方ない、強い相手に会った時の興奮する様子なども左之助そのものでした。剣心のアクションシーンでは敵まで走っていき姿勢を低くしてピタッと止まった後姿などは剣心そのもので、見ていて「ほんとに剣心だ!」と思ってしまうぐらいでした。

一つだけ残念なシーンが、刃衛が薫に「心の一法」をかけたあとの剣心のセリフです。剣心のイメージとちょっと違っていたのが残念でした。「殺してやるから、かかってこい」というセリフなのですが、すごみすぎてしまっているような気がしました。個人的なイメージなのですが、抜刀斎になってしまった時の剣心は冷酷なイメージがあってすごむというよりは、冷たく言い放ってほしかったなというところでした。たぶんアニメの涼風真世さんのセリフのイメージがついてしまっていたからかもしれませんが・・・・。

ビジュアル面も忠実に再現

緋村剣心といえば赤い着物に逆刃刀、十字傷に赤髪がトレードマークです。原作と同じように赤髪にしてしまうとリアリティがなくなるということで髪の色は茶髪にしたようですが、十分赤髪として認識できる状態です。剣心の逆刃刀は京都太秦映画村で販売してありました。興味のある方は見に行ってみるとまた違った感動があると思います。

左之助の衣装もそのままでよかったのですが、その中でも斬馬刀が再現されていたのは感動ものです。漫画も話が進んでくると斬馬刀をもっていない左之助ですが、ここでは原作通り大きな斬馬刀を振り回しています。背中に「悪」とかかれた衣装も髪型もまさに左之助でした。

剣VS剣、拳VS拳

観柳の館では剣心は外印と、左之助は戌亥番神と戦っています。外印は剣心の不殺(ころさず)の信念に納得できず、どちらかが死ぬまで戦おうとします。左之助の方は戦いの途中に、戌亥番神と食べ物や飲み物を分け合ったり(戌亥番神がベジタリアンとは少し笑ってしまいますが)と殺し合いというよりは、両者とも喧嘩を楽しんでいるといった様子でした。この観柳邸での戦いは原作とも大きく違っており、剣心と戦ったのは御庭番衆でした。特に外印は原作の中では、志々雄率いる十本刀の一人で、操り人形師です。御庭番衆で面をかぶっているといえば般若ですが、キャスト名を見るまで綾野剛の役は般若だと思っていた人も少なくないのではないでしょうか。観柳の館に手下として動いていたのが映画では御庭番衆ではなかったせいか、次の京都大火編では高荷恵と四乃森蒼紫が出会うシーンではお互いに面識がないような設定となっていました。

気になるシーンがありましたが・・・

剣心が抜刀斎時代の回想シーンです。次の日が婚礼の若い侍を斬るシーンがありましたが、その若い侍はテレビ・映画にと大活躍の窪田正孝が演じています。シーンとしては暗殺される一行のうちの一人という感じで、何気なく通り過ぎるシーンですがこの窪田正孝演じる若い侍は、「るろうに剣心」の原作の中でもとっても意味のあるシーンなのです。それを意味するかのように暗殺前の剣心の頬にはまだ十字の刀傷はありません。一つ目の傷はこの若い侍によってつけられますが、二つ目の傷は亡くなった若い侍の婚約者によってつけられます。そしてその婚約者は復讐のために、剣心に近づき結婚をします。

剣心によって殺された若い侍の名は清里明良、婚約者の名前は雪代巴といいます。「るろうに剣心」ファンにとっては十字傷の由来にもかかわる巴との物語です。巴役は公表されていませんが、清里明良に窪田正孝が起用されているので抜刀斎時代の作品が作られることを期待します。

ちなみに、原作では巴が剣心に斬られたときにもっていた短刀が手から離れ、剣心の頬に2つ目の傷としてあとを残します。アニメの方では、剣心に抱きかかえられた時最初の傷を打ち消すような形で、巴自身が剣心の頬に傷をつけます。もし映画化になるのであればどちらの形を採用するのか楽しみです。

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