舞城読者による舞城王太郎作品の感想です
わたしは舞城王太郎ファン(いわゆる舞城読者)なので、この作品『ディスコ探偵水曜日』はかなり甘口評価しています。
タイトルのディスコ探偵水曜日こと踊り場水太郎ことディスコ=ウェンズデイは迷子探し専門の探偵をしています。彼は異様なまでに日本語上手過ぎ日本人文化に精通し過ぎなので、アメリカ人設定にした意味ある? と、最初は疑問に思いました。ただ後々ディスコは外国人視点から見た日本人のヘンなところ(アメリカ人ならジョークを飛ばすシーンでシカトする等)を随所で突っ込んでいくので、そういう時にああ~この人そういえばアメリカ人か……(日本人を)分かってないなあと納得させられましたね。
この小説は上中下からなる長編で良く言えば読み応えのある作品、悪く言えば冗長な作品です。
特に12人以上の名探偵がいる癖、微妙にズレた推理をして話の核になるパインハウス殺人事件の解決が先延ばし先延ばしになっていく一方で、名探偵によるエスプリの効いたどうでもいいようにも思える言葉遊びが続き、話の尺ばかり伸びてゆくのには、本当にうんざりさせられました。しかも事件を名推理じゃなくて主人公ディスコ探偵水曜日の時間遡行能力で解決するのって、ちょっと推理小説としていかがなものかと思ってしまいます。
しかし舞城読者というのは言わずと知れた西尾維新ファンや清涼院流水ファンと同じく熱烈な言葉遊びフェチが多いので、わたし同様もういい加減にしろよといったポーズを取りつつもあ~これこれこれだよ~たまんねえな~と一気に読んでしまうんでしょう。なお本作のヒロイン山岸梢ちゃんはとても可愛くてエッチで最高です。
ストーリー展開や話のオチは不満でしたが、『ディスコ探偵水曜日』には☆4をつけさせて頂きます。
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