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- 信仰と生
4.404.40
- 文章力
- 4.50
- ストーリー
- 4.50
- キャラクター
- 4.50
- 設定
- 4.38
- 演出
- 4.50
- 感想数
- 5
- 読んだ人
- 8
図書館で初めてこの本を読んだ時、最後らへんで思わず涙を流しそうになりました。
場所が場所なので泣いてはいけないと思ってはいたんですが、こらえきれませんでした。
自分自身を犠牲にするという選択肢を選び、大勢の乗客の命を主人公(彼)は救います。本文中にもありましたが、彼の死は本当に彼らしいと思いました。
この話の舞台は今とは価値観がかなり異なる明治時代(古い)ですが、キリスト教徒として生きた彼の精神は、私の心にも強く響きました。。
私は信仰してはいないのですが、彼のような澄んだ心もてたらどんな幸福だろう。
そんなことをこの本は考えさせてくれました。
これからも悩んでいるとき、苦しいときがあったらまたこの本を読み返したいと思います。そして彼の生涯を再認識するたびに、私は、彼から大事な何かをもらって、生きていくことが出来るだろうと思います。
心の柔軟な10代にぜひ読んでいただきたい作品です。
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他のレビュアーの感想・評価
自己犠牲
読み終わったときに、なんとも切なくまたもやもやとしたものが残ります。自己犠牲・・・多くの人を救うために、自らの命をなげうつ行為です。多くの人に感謝され、長く人々の記憶に残る英雄的行動でしょう。ですが命をなげうったものの家族は、友人は、恋人は、それで幸せになれるものなのでしょうか。理屈ではその行動を誇りに思い、納得もできるでしょうが、愛するものを失った悲しみはずっと続くのではないでしょうか。その状態を幸せと呼べるのでしょうか。もしも私の夫が、息子が、娘がこのような行動を取ったとき私は二度と幸せなど感じることは出来ないであろうことを思うと、自己犠牲という行動について深く考えてしまいます。
4.54.5
実話を元に書かれた作品
一人の男性の、少年期から自己を犠牲にして亡くなるまでの物語。母や友人など、身近なところにキリスト教信者がおり、後に自らも信者となる。鉄道職員になった彼は、塩狩峠での鉄道事故を食い止めようとして殉職する。実際に起こった鉄道事故を元に書かれた作品らしい。主人公は、クリスチャンの模範のような青年である。宗教については無知なのでその観点からは述べられないが、宗教抜きにしても模範的な人物なのだ。「愛と信仰に貫かれた生涯」と裏表紙に書かれていた気がするが、きっと彼の人生は美談として語り継がれているのだろう。彼の自己犠牲は立派であるが、やや違和感が残る。彼の信仰溢れる人生だけでなく、三浦さんらしい穏やかで慈悲深い文章で、万人受けするメッセージを伝えて欲しかった。
3.03.0
「塩狩峠」は私のバイブル
この本に初めて出会ったのは中学一年の夏。読書家の母に薦められ、この本を手にした。とりあえず、読んでみた。でも当時の私には、一回読んだだけではよく解らず…(笑)そして三年後、高校1年の夏。夏休みの課題である読書感想文用の本を探していた私は、ふと「塩狩峠」のことを思い出し、再読。ただただ、涙が止まらなかったことを、今でも鮮明に覚えている。信夫の信仰心の強さ、生と愛。当時の私には、その信仰心の強さに恐ろしさを感じたほどだった。これがまた実際に起こった事故だというのだから…。クリスチャンである人も、そうでない人も、是非一度読んでほしい本である。
5.05.0
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