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- 生きることの意味、死ぬことの意味を考えさせられる
4.834.83
- 映像
- 4.67
- 脚本
- 4.67
- キャスト
- 4.83
- 音楽
- 4.50
- 演出
- 4.50
- 感想数
- 3
- 観た人
- 3
高倉健が妻を亡くした、実直な刑務技官を演じる映画です。高倉健は、イメージそのままの実直で寡黙で、心の奥に深い愛情を秘めた男を演じています。高倉健ファンなら見逃す手はないでしょう。
ストーリーは、妻を癌で亡くした後、突然、遺言状を渡され、「遺骨は故郷の海に散骨してほしい」というメッセージと、故郷の郵便局で局留めの手紙を受け取ってほしいという伝言を受け取ります。寄り添っていたつもりなのに、まったく知らなかった妻の願いの真意をはかりかね、混乱しつつも、退職後には2人でキャンピングカーであちこち旅をしようと妻と語り合った夢を現実にするため、北陸から九州まで、キャンピングカーで向かう男。その道中では、元教員と身分を偽る放浪の車上あらしの初老の男、妻の浮気と向き合うのが怖くて出張の連続である駅弁の出張販売を続ける青年、中年でありながら青年の部下であるどこか訳ありげの男、などさまざまな人と出会います。彼らの心を静かに受け止め、まるで鏡のように映し出すさまは、これぞ高倉健!という感じです。
そして、ゆっくりと妻の死を受け止め、妻の心を感じ取り、何か一皮むけたような清々しい表情を見せるラストシーンは、決して派手ではないのに、心をとらえて離しません。
生きることとは? 親しい人の死を受け入れることとは? そして、死ぬということとは?
気付けば自分の内面と向き合っている静かな美しさと強さに満ちた珠玉の作品です。
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他のレビュアーの感想・評価
派手な演出はないけど凄く心に残る作品
高倉健さん演じる刑務技官は妻が亡くなった後、妻から「遺骨は故郷の海に散骨してほしい」という遺言のとおり妻の故郷である長崎へと向かう。その途中にいろんな人と出会い、そこで人それぞれいろんなことを抱えながら生きているというのを改めて感じるような演出になっていました。長崎ではお世話になる食道の奥さんからいろんな話を聞き、それがある人とつながっていたりして、人はいろんなところで繋がっているのかもしれないと思わせてくれたり、人の優しさを感じる作品でした。出演している俳優さんも素敵な方々ばかりで、大滝秀治さんが「いい海を久しぶりに見た」と言った時はなんだか心が温かくなりました。最近は派手な演出などが多い作品が多いですが、こういった人間の繋がりを大切にした作品ももっと見たいです。
5.05.0
あなたへの想いが切ない
とても良い映画でした。妻の死後、遺骨を海に散骨するため妻の故郷まで車を走らせる男の物語です。旅の中での出会いが最後まで繋がっていて、とても感動的でした。最初から最後まで、至るところで涙が出てしまいました。ビートたけしさんの役が切なかったです。草なぎ剛さんの役は、何となく浮いてる感じもしましたが、全体的にとても良い作品だと思います。高倉健さんの演技の素晴らしさに驚きました。妻を失った喪失感や、妻への愛情、そして他人への優しさ、そういったものが伝わってきて凄かったです。とても良かったです。観る度に、また新たな見え方をしそうな映画です。また観たいです。
4.54.5
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