荻原浩らしい作品のひとつ
ユニバーサル広告社シリーズ第2弾この「なかよし小鳩組」は、前作「オロロ畑でつかまえて」で活躍したユニバーサル広告社が新たな仕事を得て活躍する話である。全く違う展開だから前作を読んでいなくとも楽しめると思う。この「なかよし小鳩組」というタイトルからして子供の幼稚園の話とかかなと勝手に想像していたけど、実際は小鳩組は組員100人以上を抱える立派な暴力団で、そこからもらった仕事を(CIという言葉を初めて知った)奮闘しながらこなしていく様が、荻原浩らしい優しい文章で描かれている。荻原浩の文章の魅力彼の文章は時に温かく時にシリアスで、そのテーマも様々である。縄文時代のカップル、自身のルーツを探ろうとする若者、その他多くの短編。笑いも織り交ぜながら進む話に泣き笑いするようなラストは荻原浩ならではのものだと思う。この「なかよし小鳩組」も、始めはこのヤクザたちの風貌や言動の荒々しさをいかにも恐ろしげに...この感想を読む
3.53.5
PICKUP