にごりえ・たけくらべの評価
にごりえ・たけくらべについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
にごりえ・たけくらべの感想
夭折の女性作家の生き様
お札の顔5000円札の肖像としてお馴染みの樋口一葉ですが、どんな人物であったのか、一般的には知られていないことも多いと思います。彼女は24歳でこの世を去っており、作家として活躍したのは実質4年間でした。また、この短編集に載せられている「たけくらべ」や「にごりえ」といった代表作となる作品は、亡くなる一年ほど前に集中して発表されています。この時期については、<奇跡の一四ヶ月間>と呼ばれるほどで、亡くなる前の一四ヶ月間に傑作を集中して発表したと言われています。そのため、この短編集に載せられている文章は、彼女の人生を削りながら生み出されたものなのです。だからこそ、このような力強い言葉が今でも愛されているのでしょう。独自の文体当時の文壇では、言文一致という動きが見られ、話し言葉を用いて文学作品を執筆しようとする動きが盛んでした。ところが、一目見ればわかる通りに、樋口一葉はそのような動きに流されること...この感想を読む