月魚の評価
月魚についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
月魚の感想
心にすーんと染みいる純文学。
まるで月夜を眺めているような気にさせられる美しい作品です。日本情緒が漂う雰囲気にみるみる引き込まれて、心にすーんと染みいる感じがしました。ひさびさ純文学を読んだ気がします。こーいう独特の世界観のある作品は貴重ですね。私は大好きです。三浦しをんの作品はいつも私に馴染みのない分野に興味を抱かせてくれます。今回は古書の世界。古書店の若き店主、真志喜とその幼なじみで同じ業界に身をおく瀬名垣。これといった大事件は起こりませんが、2人の微妙な関係や心の揺れなどに引き込まれてしまいました。ややBL入ってますが、露骨な表現はしていないため、それがさらにこの作品の陰美さを増しています。装丁・題字デザインも作品ぴったりで素敵です。