真夜中の太陽の評価
真夜中の太陽の感想
米原さんの良さがにじみ出たエッセイ
ロシア語通訳・エッセイストの米原万里のエッセイ集。2001年に出版された書籍で、企業のリストラ問題・警察の不祥事問題等、当時の日本の時事が面白おかしく書かれている。彼女らしいユーモラスな文体で綴られた一冊。ウィットに富んだ文章で日本の突っ込みどころをバサっと切っている。でも、なんだか嫌な感じがしない文章を書く米原さんが好きだ。底意地の悪い人や、悪い方向性からしか物事を分析できないような人ではない気がする。女性らしい感じが伝わってくるというか・・・「おちゃめな人なんだろうな」という性格のよさがにじみ出ているのだ。社会を斜に見てしまいたくなるエッセイ集とは、一味違う。