となり町戦争の評価
となり町戦争の感想
あるはずのものが見えない
隣町との戦争。何人亡くなっているかは随時公表される。逆に、それしかわからない。読み手にも。殺傷沙汰の描写もなくて、何かが起こってるはずなのに何が起きててどうなってるのかが、驚くほどわからない不気味さ。これならまだ中東とかで起きてることのほうが身近なんじゃ…とさえ思わせます。描かれるのは主人公の淡々とした概ね普通の生活。でも、何かが起きているはず。そのわからなさ、不思議さ不気味さを味わいたい人にはオススメ。わかりやすくスリルある・ハラハラ・ドキドキ・スカッとする小説を求めている人は他を当たったほうがいいかも?とは思いますが、本作独特の設定や雰囲気を好きな人もきっと沢山いるんだろうな、とも思わせてくれる作品でした。