ことばになりたいの評価
ことばになりたいの感想
広告の集まりのようでいて詩集のよう
広告のコピーと詩について、考えさせられることが多かったように思う。コピーの内容そのものから、というのももちろんあったけれど、それよりも前に。『私たちは、他者からもっと理解され、好意を持たれ、つまり愛されることを望む、その欲求を抱えて苦しんでいるはずです。企業も商品も同じ「悩める者」なのです。』という言葉になるほど、と。日本では、詩人はそれだけでは生きていけない。詩人という職業で食べていくことはとても難しい。そんな中で、一倉宏さんは『「図書館の棚の読まれない詩集であることよりも、多くを相手にするメディアに薄められた詩のようなものを忍び込ませることを選ぶ」とタンカを切った』という。「ことば」で食べていく、ということを考えさせる一冊。