新撰組異聞PEACE MAKERのあらすじ・作品解説
新撰組異聞PEACE MAKERとは、黒乃奈々絵によって月刊少年ガンガンにて連載された新選組がテーマの少年漫画である。 時は幕末。京都で活躍する新選組に、隊士希望者として門戸を叩く兄弟がいた。名は市村辰之助と鉄之助。両親を長州藩士に殺害された事情を持った兄弟だった。兄・辰之助は両親を亡くした今、今後弟と共に生活していく為の働き口としての入隊であったが、弟の鉄之助は違った。“強くなりたい――”両親の仇を討ちたい一心で新選組の門戸を叩いたのだった。鉄之助は無事に入隊が許されたものの、子ども扱いされ、理想と現実の差に葛藤しつつ、幕末を駆け抜けていくというストーリーである。鉄之助の入隊時期など、要所要所で史実と異なる部分があるが、大まかな出来事は史実通りである。 本作はTVアニメ化やTVドラマ化、ドラマCD化や舞台化など多岐にわたってメディア展開するほどの人気を博した。 単行本は全部で5巻発刊されており、続編にあたる「PEACE MAKER鐵」の連載も開始された。
新撰組異聞PEACE MAKERの評価
新撰組異聞PEACE MAKERの感想
闇を抱えることになる少年達のキラキラした時代の物語。
誰もが知っているからこそ、独自性が感じられたストーリー。歴史漫画でもかなりの数の題材として取り扱われている「新選組」。そのなかでも池田屋事件に関しては、新選組・坂本龍馬・長州藩土佐藩の尊王攘夷派・と様々な視点で描かれている。この「新選組異聞PEACE MAKER」では、その王道たる新選組の視点ではあるものの、主たる新選組隊長の視点ではなく、そばに仕える小姓の視点、物語だ。それは、もしかしたらこういった事実もありうるやもしれない。という小姓・鉄之助の物語でもある。続編「鐡」に続いていく人間模様。「新選組異聞PEACE MAKER」は、続編として出ている「鐡」の導入ではないか?と私は思う。本来、作者が描きたかった物語は、ドロドロとした人間の憎しみや悲しみ、醜さ、愚かさ、怖さ…そういったもののように思う。その部分が、続編の「鐡」にはある。それは、無印「PEACE MAKER」があるからこそ、その対比として「鐡」の人間の弱さ...この感想を読む
部下からみた新撰組の誇りと忠誠心
少年の成長物語ドラマやマンガや小説、ゲームまで、新撰組には様々なジャンルの作品があり、多くの作者がいる。歴史物の中でも、世代や男女を問わず人気で知名度も高い。PEACE MAKER以外にも、数多くある新撰組をテーマとした作品は、局長の近藤勇副長の土方歳三が主人公として中心となっている物が多いと思うのだが、PEACE MAKERは隊士ではなく、土方に小姓として仕える少年、市村鉄之助が主人公というのが中々斬新で興味をそそる。あえて隊士ではなく、歴史の教科書などでも特に触れられない鉄之助を主人公にする事で、新撰組とも幕府内部とも、反幕府側とも違う視点からストーリーが進んでいくために、他の作品とは一味違った新撰組を楽しむ事が出来ると思う。キャラクターの魅力マンガだから当たり前ではある。それでも言いたくなるくらいに、見た目も中身も個性的で魅力的なキャラクター達なのだ。絵が綺麗で、かといって少女マンガのような繊細で、全...この感想を読む