どこにでもいる人物の非日常の物語
どこにでも居そうな登場人物この作品の主人公は、ごく一般的な中年男だ。くたびれた雰囲気のサラリーマンという設定では世の中の大部分のおじさんを表していると思う。もう一人の主人公の直美は二十歳の大学生で、明るく元気な性格はベタな女の子という感じである。一見どこにでも居そうな登場人物が読者に親近感を持たせ、読みやすい話になっているのではと思う。辻山は43歳にしては、しっかりしてくれよと言いたくなるような抜けた人物で、少し応援したくなるのもこの作品の特徴かなと思う。読者を飽きさせない展開この作品に絡んでくるのは、殺人事件、ヤクザ、逃走劇、とキーワードを上げるとこのようなもの。まず、ヤクザなどドラマの中でしか見たことがないし、普段見かけることもない。この他殺人事件も日常生活において縁のないことなので、読者は非日常の世界をこの作品で楽しめるわけだ。物語の中で、ちょくちょく逃走劇が見られるのも見所の一つ...この感想を読む
4.04.0
PICKUP