未来歳時記・バイオの黙示録のあらすじ・作品解説
未来歳時記・バイオの黙示録は、諸星大二郎によって執筆され、2008年に集英社から出版されたSF漫画である。「野菜畑」「養鶏場」「案山子」「百鬼夜行」「シンジュク埠頭」「風が吹くとき」の短編6作品および、6作品を補完する描き下ろしが加わった合計7作品が収録されている。 バイオテクノロジーが発達した地球で、バイオ戦争やバイオテロにより、人と生物の遺伝子が交じりあう荒廃した世界が題材になっている。7作品ともに、人と獣のハイブリッド生物が登場するのが特徴である。また、諸星大二郎らしく、グロテクスとブラックユーモアが混在した作品でもある。 人面犬や人面魚も日常的な混沌とした世界において、人々は獣に変異するのを恐れつつ過ごす。しかしその根底には、多種多様な「愛」が織り交ぜられており、類似する画風がない独特な描写と、人を含めた異形を描き出す才能がいかんなく発揮された本作は、諸星大二郎ならではと評価されている。
