真夜中のパン屋さんの感想一覧
大沼 紀子による小説「真夜中のパン屋さん」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
人気シリーズ「まよパン」の魅力
ドラマ化も果たした大人気シリーズシリーズ累計120万部を突破したベストセラー、『真夜中のパン屋さん』。作者は『てのひらの父』で人気作家となった大沼紀子さん。そもそも人気のきっかけとなったのが、2012年に始まった「まよパンディスプレイコンクール」。全国の書店でまよパンがディスプレイされている写真を表彰するイベントでした。そこから書店員の熱烈な支持もあり、人気は爆発的なものに。2013年には滝沢秀明主演でドラマ化し、2016年3月にはファン待望の5巻が発売されるなど、まだまだブームは終わりそうにありません。ところで書店員の支持というのは、昨今では一番重要なファクターとも言えます。例えば有名なのが羽海野チカのコミック『ハチミツとクローバー』。もともと全然売れなかったものを、全国の書店員が「この本を売りたい」と立ち上がり、企画・ディスプレイに力を入れた結果、社会現象とも言えるほどの大ヒット作品となったのです。...この感想を読む
真夜中のパン屋さん
舞台設定が真夜中に開くパン屋さんのお話ということで、どういった話か気になり購入してみました。天才的なパンの腕を持つイケメン職人と、全くパンをうまく作れないイケメン経営者、そして自らをカッコウと揶揄する女子中学生のやり取りがとても面白い作品です。登場人物それぞれに複雑な過去があり、その登場人物たちが織り成す真夜中の不思議な恋模様や人間関係が繰り広げられる作品で、あきることなく読める作品です。また、パンの匂いが今にも香ってきそうな描写にお腹がすく思いをすることも多いので、パンやコーヒーを片手に読むとより一層面白いでしょう。パンの知識も広がりますので、みなさん是非、読んでみてください。
真夜中のパン屋さん1巻読んでみました。
この作家さんの作品を読んだのは初めてです。そもそもパンが大好きなので、気になっていました。そうしたらシリーズになっているし、面白いのかなと思って手に取りました。結論。とてもよかったです。主人公たちは家族ではないけれど、まるでホームドラマようなホッコリする短編集です。各短編につき、主人公たちの1人が一人称で話をすすめていく感じです。キャラクターもしっかりしていますし、きちんと本の最後で全体が見えてきます。物語の設定もおもしろいですが、少し境遇に恵まれない感じや、人が持つ傷に焦点をあてた感じのストーリーなので、偏った設定にはなっています。ただ、それを差し引いてもやっぱり感動します。癒し系ですね。大好きな作品になりました。勿論シリーズで読みたいです。
真夜中のパン屋に訪れる人には何かある。
23時にオープンする一風変わったパン屋さん。オーナーの暮林陽介とブランジェの柳弘基が始めて半月。真夜中に篠崎希実という女子高生が訪ねてくるところから物語が始まります。この希実ちゃん、暮林さんの奥さんの腹違いの妹、というなんとも色々な事情を持って訪ねてきたのを皮切りに何かと問題を持つ人たちがお客として訪れその問題(多くは人間関係)をみんなで、何とか解決しながら友情などを深めていきます。深いミステリーというところまではなくこれから続く物語の人間関係の基礎を作っていくという感じで軽く読めます。本作だけだと物足りないかな、という感じでしたが続作を読んでいくと、だんだんハマってきますよ。